第2話サキとレナ
「おはよう」
「おはようサキ」
陽の光が差し込むリビングでコーヒーを淹れるサキ、ゴリラは寝癖がついている。
「ゴリ、寝癖すごいよ」
「まだ誰とも会わないからいんだよ、サキはもう出かける?」
「いや、まだだよ」
そう言いながららソファに腰掛ける。
ゴリラも隣に座りテレビをつけ、朝のニュースを見る。
ニュースを見ているとあっという間に時間が過ぎていた、それに気づきサキは急いで鞄を持ち
「行ってくる!」
と、飛び出して行ってしまった。
「はぁ、いつになったら俺の姿は元に戻るんだろうなぁ、」
ゴリラは一人、サキの部屋でつぶやいた。
「仕事しよ」
そう言うと部屋に戻りノートパソコンを開き、フリーランスの案件募集サイトへログインする。
ゴリラは途中だった仕事を再開した。
このことはサキには内緒だ。
ゴリラが仕事してるー!なんてことになったら面倒だからな、、、
「間に合った!」
電車に急いで乗り込んだサキ、吊り革に掴まり揺られながらスマホを開く。
友達からのメッセージが来ている、どう、間に合う?
スマホを片手で操作し、返信を打つ。
電車に間に合ったから待ち合わせに間に合うよ!
と返信をした。
スマホをしまい顔を上げる、窓から見えるビルのオフィスが見えた。
なぜか耳鳴りがしてきた。
気分が悪くなり座ろうとしたその時、ドアが開いた。
「うぅ、」
どうにか駅の中の待ち合わせ場所の近くまで行くと「サキ!大丈夫?」
聞き覚えのある声がした。
友人のレナだ。
「久しぶり、でもそんなこと言ってる場合じゃないね、こっち来て」
サキの手をとり、カフェに入りサキを座らせる。
「私コーヒー買ってくるね」
久しぶりに会えたのに自分はなぜか気分が悪い。
なんで?サキは自分に問うがわからない。
「はい、コーヒー。」
レナはコーヒーを置き正面に座った。
「どうしたの?」
「なんか電車乗ってたらビルのオフィスが見えて、、」
「・・・、そっか、まだ消えないか」
レナはそう言った。
「何が?」
「なんでもない!久しぶりに会えたね!」
「そうだね、会えて嬉しい」
明るい表情のレナを見ると安心する。
小学生の時に転校してきた彼女に1番に声をかけ、友達になった。
そんなレナは信頼できる親友だ。
「ねえ、ゴリラと住んでるって本当?サキのお母さんと電話した時に聞いたんだけど気になっててさ」
「うん、本当だよ」
「へーそうなんだ」
「そのゴリラ昨日は恋愛ドラマに夢中になってた、ふふっ」
少し笑ったサキを見て安心したレナ、本人が幸せならまあいっか、そう思いながらコーヒーを口へ運ぶ。
「恋愛ドラマ見てるゴリラとかシュールだねっ」
「そうなんだよ、あのゴリラ割と可愛いところあってさ」
二人で話をしながらゆったりと時間が過ぎていくカフェはとても居心地がいい、久しぶりの感覚だな、ずっとこれが続けばいいのに。
「涙出てるよ?大丈夫?」
「えっ?」
自分の頬に手を当てると確かに濡れている。
「えっ?あっ、なんでだろ、うっ、うぅ、、、」
泣き出すサキ。
レナは隣に座り背中を撫でる。
「もう大丈夫だよ、、、」
優しく声をかけながら泣くサキを宥める。
レナは思った
この先、サキの傷は消えるのかな、、
ゴリラとサキ おぉんゴリラ @PurpleRevolbar
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