この物語が、コロナ禍における幸せな魔除けとなりますように

題名のウェディング・ベールは花嫁の象徴であり、結婚式をロマンチックに仕上げてくれます。特にベールアップ。花婿がベールを挙げる行為には、新郎新婦を隔てている壁をなくすという意味があります。二人の幸せを思い、ドキドキしてしまう瞬間です。けれど、この物語の世界観は、コロナ禍の現在よりも厳しいものでした。

チカは憧れの先輩と晴れて両思いに。キスもスキンシップもしたいのに、感染症のせいで密着できない。そんな切ない恋心が丁寧に描かれ、のたうち回りたくなります。だって耐えられない瞬間は多々あるはずだもの。

普通の交際と比べれば制約がたくさんあるし、ずっとマスクを着けなければいけない。恨めしいこの世界が、薔薇色に色づく日は来るのでしょうか。

ベールには、邪悪なものから守るという意味もあるそうです。この物語が、コロナ禍における幸せな魔除けとなりますように♡

その他のおすすめレビュー

羽間慧さんの他のおすすめレビュー3,284