第2話
アージェラ・ロゼ・フォン・リーヴェル。
リーヴェル公爵家の長女に生まれ、幼少期は何不自由なく過ごし、魔法や星見の才能に恵まれるが、7歳の時に両親が他界。その後、叔父の家に引き取られるが、虐待を受ける。吐かれ続けた暴言により、アージェラは自身に価値を見いだせなくなってしまう。
10歳で魔法学院に最年少で入学するも、王太子の婚約者争いに巻き込まれ、毒を盛られ、なんとか命はとりとめたものの失明。
大好きな星見ができず、また愛していた庭や街並みの風景を見ることが出来ず、絶望。
学院にいるのが辛くなり、辞めようと決意した矢先に
買われた先で逃亡するも、異国の土地で独り、盲目の少女が生きていけるはずもなく、森の中で独り力尽きてしまう。
だが、彼女は魔法に関しては人一倍長けており、その魔力量は膨大であった。
アージェラの死の間際の、何年分も蓄積された深い悲しみに魔力が反応し、彼女が世を去った後、暴走。
世界各地でかかった途端失明し、魔力を失う奇病が流行り、魔物が凶暴化しては街を荒らした。
(最後に、誰かには、愛されたかった...愛したかった...。誰か、一人でもいいから最後まで心の底から信じたかった‥..!)
アージェラの最後の望みは誰にも届くことなく、夜の森に静かに、儚く消えた。
そして彼女の死から数十年後...世界は滅ぶこととなる。
優しく、可憐な少女は望んだものを何一つ得ることの出来ないまま、生涯を終えてしまうのであった―――
★☆★☆★☆★
たしか、アージェラの生涯はそんな感じだったわね。
アージェラを救わないと、この世界は滅んでしまう。
世界を滅亡から救いたいのもあるけれど、何より心優しいアージェラが裏切られ続けて生涯を終えるというのが許せない。
元のアージェラは優しすぎたのだわ。何度裏切られても、自分が信じたいと思った人は信じてしまったもの。そして、好きな人を協力すると言ってくれた親友...と、思っていた少女に奪われてしまっていたわね。
そして周囲に勝手に罪を擦り付けられたりして『悪役』って立場になっていたわね。
優しすぎたために、搾取されて傷つき、力尽きた。ならば。
なら、とびっきり悪い子になればいいのよ。擦り付けられたんじゃない...本当の『悪役』になってみせるわ!
こうして、数多の悪役令嬢等を破滅から救ってきた転生の女神・サンサーラの悪役令嬢ライフが、幕を開けた―――
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