第5話

フェーズ5は命の最前線だ。

24時間交代制でA Iが持ってきたデータと睨めっこして

自殺や他殺を阻止している。

とても忙しい。

「フェーズ5のFチームの班長今日も完徹だってよ」

「まじか……確かに人命がかかってるものな……これで通算何徹目だよ」


僕らは命の見守り手なんだ。


フェーズ4の班ではネームキャッチャーの話で盛り上がっていた。

「ネームキャッチャーが猫のハンドルネームの法則に気付いたみたいです」

「マジか!」

「ただ、ネームキャッチャーは我々を神と誤認していますが」

「まずいなネームキャッチャーはこのままだと統合失調症扱いになるな」

「気狂いと天才は紙一重と言いますもんね」

「ネームキャッチャーにまとめサイト作られた時も演者が演技した人をよく特定してるなあと思ったもん」

「彼女はこっちの世界の役者のフジに恋してるんだもんな。皮肉なことに役者のフジは男性を演技する女性なんだけどな」

「フジさん藤や富士などフジがつく人の中に入って演技ようしてましたもんね」

「漫画執筆班が漫画のキャラクターに採用してた時もあった」

「結構もうお年を召していられるんじゃなかったっけ」

「ネームキャッチャーも切ない片想いだな……」

「統合失調症扱い……一昔前は特異点を封じ込められたって事で喜んでたけど今は並行世界の人にも人権が生まれてそういった扱いで人生を台無しにしないようにしましょうって状況だからネームキャッチャーは運が良かったな」

ネームキャッチャーは名前で演者を特定しまとめサイトを作って同一人物なのではと共通点をあげていた。そして末端の演技してる役者本人のところに行き事態を問いただしていた。その問いただし方が独特で障害カテゴリーに閉じ込められずにいたのだ。

『私はあなたのことをよく知っています』

『あなたが大きな困難に立ち塞がっていることも』

そう言った手管で演者本人に話しかけていた。

もちろん撮影の障害になっていたためどうにかこうにか障害カテゴリーに閉じ込めて隔離しておこうと思ったんだが、うまくいかず、法も変わり、ネームキャッチャーは助かったと言うわけだ。


「最近ではこっちが何もしてないのにこっちの存在に気づいた天才のことを天然って言ってます」


話は元に戻ってフェーズ5では日夜戦争のように働いてた。

もちろん戦争回避のためにも。

「やべぇ別の国で戦争起きちゃってる。世界線595の残りカスのせいだ……」

「外国のスタッフ雇って収束させないとまずいっすよ」「翻訳機材使って何とかしとけ」

「この世界線が日本制作だからアフターケアが日本にばっか手厚いけど本当は世界レベルの話なのよね」


説明すると長くなるが1253号線は色々な世界線を作った後に作られた世界線であり

世界線595の流れから派生している

世界線595は戦争ゲームを私たちの世界の人達がやった世界なので派生した1253号線でもアフターケアが大変なのだ


「戦争関連のアフターケアは大変だよ現地の人がその気だと僕らが何しても流れが変わらない」

「僕らも人手不足だから世界まで見るのは大変だ」

「ただ僕らが指導者の体を借りて戦争を止めると言うそれだけでも効果はあります」

「でもそれだと後の人にどれくらいの影響があるか……」


僕らが議論してる間に上の人達の結論が決まったらしく

数日後に終戦させることに決まった


「さて、日本の中のアフターケアに集中できるぞ」

「山中花江さん緊急です」「羽柴晴紀さん緊急です」

「急げ急げ時間勝負だ!」

「こちらは回避完了しました!次行きます!」

「再発防止班フェーズ4に報告して立ち直るまでサポート組み立ててくれ」

「はい!」


そんなこんなで忙しかった。


フェーズ4の班にはフェーズ5から緊急を脱した人が立ち直るためのアフターケアをする部署がある


僕らは必死だ


「花江さんどうします?父親との中が最悪です」

「役者が入ったあとはあるな。こちらが有責だろう」

「関係改善プラン出しますねー」


日々必死だ……


「美園真希さんこないだの仲直りプラン良かったみたいです」

「それは良かった」


「晴斗くん手強いっす!」

「がんばれー」


日々必死に人々を支えているんだ。

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世界線映画のアフターケア mikotonosora @mikotonosora

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