6日目
「ダ ガーネ ピュー、リーネ!」
今日、僕は初めて彼女より先に挨拶をした。
意味もちゃんとわかってるさ。
――――――――――――――――――――
朝早く起きた。
プレゼントを準備するため。
たいしたものは用意できない。
なにより僕にお金はないし、近くにお店もない。
でも、この前見つけたんだ。
きれいなお花畑を。
この赤い花、彼女にきっと似合う。
ささやかな僕からのプレゼント。
「そうだ」
茎を曲げて、結ぶ。
指輪みたいなリングにする。
どうかな、手作りの指輪だ。
ダイヤモンドなんかないけど、かわいいお花とまじめな気持ちはある。
実を言うと、僕も彼女のことが……。
あ、物音がした。
起きてきたみたい。
ドアが開く。
「ダ ガーネ ピュー、リーネ」
出てきた彼女にそう言いながら、ひざまずく。
さっきのお手製指輪を差し出しながら。
じっと、リーネの顔を見つめる。
「セイト……」
寝ぼけ眼が、だんだん見開かれる。
「セイト……!」
彼女は恐る恐る僕の手を握った。
僕は優しく微笑む。
「リーネ」
名前を呼ぶと、彼女の目から光る粒が。
よほど嬉しかったのだろう。
これからどうなったのかは、この日記には書かないでおく。
僕達の思い出の中に、大切にしまっておくんだ。
(完)
彼女の言葉がわからない ~最近挨拶が変わった女の子~ 砂漠の使徒 @461kuma
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます