第16話 ダブルデート 後編

昼食後。


「じゃあ次は優たちが使っていいぞ!これ二人でイチャつくには最高だった!」

「じゃあ真昼これ乗ろっか」

「うん!その前に売店で飲み物買ってくるね」

「アタシも行くわ」

「じゃあ俺たちはここで席取って待ってる」


−−−−−−


「なあ優たちは何してたんだ?」

「俺たちはウォータースライダーばっか乗ってた。あれ早いぞめっちゃ怖い」

「抱きつかれた?」

「抱きつかれた。正直最高だった」

「じゃあ俺もウォータースライダー行くかな!」

「いいと思うぞ?…あいつら遅くないか?」

「確かに遅いな…?ってあれは男に声かけられてる?でもあの男の人確か…」

「またナンパかよふざけやがって行ってくるわ」

「ちょっと待てあの人は!…行っちゃった」


−−−−−−


「はいこれお茶ね。これからも仲良くしてくれよ」

「あの…ありがとうございます…」

「ちょっと、真昼嫌がってるじゃない。」

「友好のしるしだよこれは、特に他意はない」


「おい、俺の女に何か用?」

「えっ?」

「こいつ俺の女なんで、ちょっかいかけるのやめてもらえますか?」

「ユウ?違うよ?この人は…」

「その子も彼氏いるから手を出すのやめてくれる?友達として放っておけない」

「ねえユウ聞いて!この人は咲夜のお兄さんなの!」

「……えっ?」


−−−−−−


「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!勘違いして生意気言って!」

「いやいいよ気にしてない。俺は蒼汰。高校3年の咲夜の兄だ。」

「すいませんつい男の人がナンパしてるのかと思って居ても立っても居られなくなって…」

「ハッハッハッ!それで飛んできたんだね。俺は俺で彼女と来てるから心配しなくていいよ?」

「本当にすいませんでした…」

「また会えるといいね。サトル君によろしくね」


−−−−−−


「いや〜、優が男にナンパされてるって飛び出していってビビったわ〜!咲夜ちゃんの兄って言う前に行くんだもん真昼ちゃん愛されてるね!」

「ユウが俺の女に手を出すなだって…俺の女…俺の女…俺の女…フフフフフ…」

「…そっとしとこう。サトルは蒼汰さんに面識あったんだな」

「おう!咲夜ちゃんの家に遊びに行ったときにキス現場見られた!」

「ちょ!?余計な事までなんで言うのよ!!」

「別に良くね?恋人ならキスくらいするっしょ」

「アタシは恥ずかしいの!もう…」

「まあそういう感じで知り合ったんだよね!イケメンだよな蒼汰さん」

「まあ咲夜が美人だし兄がイケメンでも不思議じゃないだろ」

「うぅ…真昼ぅ…優が口説こうとしてくるぅ…」

「ユウ?」

「ごめんなさい目が笑ってない笑顔で見ないでください」

「じゃあウォータースライダー入ってくるな!行くぞ咲夜ちゃん!」

「待ちなさいよ急がないの!」


「俺はちょっと疲れた…あれでプカプカ浮きたい」

「じゃあ一緒に乗ろ?ゆっくりリラックスしよう!」


結局シャチの上でも抱きつかれたのでリラックスできるはずも無く、真昼の無自覚アタックにドギマギしてるうちに気付けば時間は経っていた。


−−−−−−


「あ〜!楽しかった!また来年来ようね?」

「そうだな、また来れるといいな」

「じゃあ俺は咲夜ちゃんと帰るから!お疲れ!」


そう言って咲夜とサトルは仲良く手を繋いで、やがて人が多い街角の方へに消えていった。


「じゃあ俺達も帰るか」

「うん!色々あったし楽しかったね!さっきも言ったけどまた来ようね?」

「高校生になればバイト出来るから来れるかもなあ…」

「じゃあ次は二人っきりね?」

「わかった。約束だ。」

「うん!約束ね!」


−−−−−−


今日は色々あったな…とシャワーを浴びて、湯船に浸かりながら物思いに耽っていると、ふと思い出したことがあった。

今日のチラシに夏祭りの広告入ってたんだよな…

引っ越したばかりだから規模はわからないけど、町内会のやつだから多分そんなに大きくないと思う。

後で真昼誘ってみるか。


−−−−−−


『真昼再来週の金曜の夜空いてるか?』

『大丈夫だと思うよ?どうして?』

『その日に夏祭りあるんだけど行かないか?』

『行く!浴衣どうするの?』

『俺は私服かな』

『私は…どうするか考えとくね?おやすみなさい』

『おやすみ』


誘えたし俺も寝るか…


−−−−−−


ユウに夏祭り誘われちゃった♪

どうするか考えとくとは言ったけど、本当は浴衣で行く気満々だ。

サプライズで着ていったら褒めてくれるだろうか?

似合う浴衣探しお母さんとしないとね。

楽しみだな、夏祭り。

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棄てられた俺がイジメられている彼女を助けたら 野村駆 @jokerkid

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