ファンタジー舐めるな宇宙文明!-大昔勇者パーティーに分からされた絶望大魔王が、希望野郎となって異星人からの侵略に立ち向かって人類を守る物語-
福朗
導入?
前書き
風呂入ってたら思いついたネタ。予定は完全に未定。
◆
希望さん
悲報。当惑星、謎の異星人より侵略を受ける。
名無しの一般人さん
いきなり話が重いですね。
名無しの一般人さん
よくあるよくある。
名無しの一般人さん
よくあってたまるか。侵略受けるとか精々年に一種族の一惑星だから。
希望さん
多い。多くない?
名無しの一般人さん
多いですね。
名無しの一般人さん
銀河戦国時代やからしゃあない。
名無しの一般人さん
お主等の星はどんな種族で、どの程度の文明レベルなんじゃ?
名無しの一般人さん
話が早いお爺ちゃんムーブ嫌いじゃない。
希望さん
人間って呼ばれてる種族で腕と足、首から上は頭がある。
名無しの一般人さん
典型的なヒューマンタイプですね。
名無しの一般人さん
分かりやすくて想像しやすい。
名無しの一般人さん
この前手が10本、足が10本とか自己紹介されて脳がエラーを越したからな。
希望さん
文明は、そうだなあ。ここの皆と比べたら原始レベルだね。剣で戦ってるって言われて想像つく?
名無しの一般人さん
原始wwwwwww
名無しの一般人さん
剣wwwwwww
名無しの一般人さん
まさかの白兵戦っすかw
希望さん
そう。だから異星人から侵略されたらひとたまりもないんだ。
名無しの一般人さん
そりゃ無理でしょうなあ。
名無しの一般人さん
衛星軌道から攻撃されたら、それこそひとたまりもないじゃん。
名無しの一般人さん
そんで侵略してきた異星人はどんなの?
名無しの一般人さん
緩やかーな植民地政策してる種族ならワンチャンあるね。
名無しの一般人さん
まあ、ここにいる余裕がある程度、ゆるーい侵略なんやろうな。
希望さん
俺の感性では超美形揃いで、全身真っ白な人間。至高の種族なんたらとか言ってた。あと宇宙船も全部白い。
名無しの一般人さん
あっ……
名無しの一般人さん
ふ、ふーん……
名無しの一般人さん
あ、あーね……
名無しの一般人さん
Ω\ζ°)チーン
希望さん
なんかリアクションがあれだけどどんな種族なのこいつら?
名無しの一般人さん
サンカ星人って言って、超過激派種族ですね。
名無しの一般人さん
自分達以外クソ。お前らの星は俺らのもんなんだけどなんで勝手にいるの? 死ぬか奴隷になるか選んでねって正気で言ってる奴等。
名無しの一般人さん
これ以上説明しようがないな。
名無しの一般人さん
話し合いなんて全く無理。
名無しの一般人さん
出会ったら一生戦う羽目になる。俺んとこももう50年くらい戦ってる。
名無しの一般人さん
質が悪い事に既存の宇宙勢力で一番強いんだよなあ。
名無しの一般人さん
んだな。
希望さん
ああやっぱり。ちょっと覗いたけど、全員がそんな思考しかしてなかったから、逆になんか仕掛けられてるんじゃないかと思ってた。そんじゃ心置きなくやるね。ノシ
名無しの一般人さん
ノシ
名無しの一般人さん
ノシ
名無しの一般人さん
やるってなにを?
名無しの一般人さん
知らね。
名無しの一般人さん
というか覗いたってなにを?
名無しの一般人さん
知らね
名無しの一般人さん
というかというか、そんな原始時代の星からどうやってこの掲示板繋いだんだ?
名無しの一般人さん
あ
◆
「出で生まれよ!」
ああ、かつてに比べてなんと衰えたる我が力か。零落し、そして敗れ消滅したが故に、最早星を飲み込むことすら叶わない。
出来るとすれば、それが出来る者を生み出すだけだ。
『ご命令を』
無限に広がる闇の中で、一つの大陸に比肩するほどの巨躯を持った一匹の竜が現われた。体も、翼も、角も漆黒。眼だけが闇に輝く金の光。
これこそが我が本質によって生み出した竜。
「あの宙に浮かぶ機械を撃ち落とせ!」
『拝命いたしました』
闇に竜が溶けていく。
向かうはこの星に再びやって来た愚か者共が乗る宇宙戦艦!
◆
200隻を超える宇宙船が青き星に到着した。
『目標惑星に到着。異常なし』
『よろしい』
サンカ星人が誇るこの宇宙艦隊の目的は、劣等種族がのさばる目の前の星を制圧するために向かった派遣艦隊が音信不通となったため、その調査と合わせてこの星の制圧を再度行う事だ。
『まずはこの惑星の劣等種族を半分にする。そこから労働力か資源にするかを選ぶ』
『はっ!』
艦橋で目も体も、髪も真っ白な指揮官が、これまた同じような女性の副官にそう命令を下した。
その彼らの体と同じ純白の艦隊が偉大なる目的である、全ての劣等種族の浄化のため、また一つの星を解放……
『目標惑星より超高エネルギー反応!』
『エ、エネルギー計測不能!』
『計器の故障ではありません!』
『なんだと!?』
艦橋に緊迫した声が響く。いや、殆ど悲鳴と言ってよかった。宇宙で最先端である彼らの戦艦ですら計測不能なエネルギーなんて、そんなものは限られている。
『全艦エネルギーシールド全開! 超新星爆発だ!』
絶叫が指揮官の口から放たれた。
彼らにとっても忌むべき事件は幾つかあるが、その一つに栄光ある彼らの宇宙艦隊が丸々一つ、超新星爆発に巻き込まれて消滅した事があった。その被害は宇宙艦隊創設以来、未だに最も犠牲者を出した事件であり、彼らのトラウマでもあった。そして今日、この艦隊は2番目の被害として歴史に刻まれるだろう。
『も、目標惑星から高エネルギー体が接近!?』
『映像出します!』
『な、なんだあれは……』
一匹の竜によって。
生物にとって致死の空間である宇宙で、竜がその翼を羽ばたいて艦隊に高速で接近していた。
『撃ち落とせ!』
艦隊から斉射されるビームの嵐。
エネルギーの大きさから、それを何らかの超兵器とまで考えた指揮官の発想はよかった。
『不明存在健在!』
『馬鹿な!』
足りなかったのは全てであった。その発想も足りなければ、火力も全く足りず、そして
逃げる時間も足りなかった。
【オオオオオオオオオオオオオオオオオ!】
宇宙空間で響くはずのない音が竜の口から轟き渡る。その口から滅びの虚無を光らせて。
一瞬だけ。ほんの一瞬だけピカリと宇宙を照らし出した一筋の光は、白い艦隊の前衛艦隊を、まるで最初からいなかったかのように綺麗に消し去ると、そのまま艦隊の中央を抜け、ついには最後尾から宇宙の果てまで伸びて、そして見えなくなってしまった。
『何が起こった!?』
『サ、サルーラ撃沈!?』
『マカシ消滅しました!』
『何が起こった!?』
『前衛艦隊所属の複数の反応が消滅しました!』
『後方の一部もです!』
指揮官の叫びに訓練されたオペレータが、その練度を示すように正確な報告を、絶望を口にする。
『戦闘機を出せ! 全部だ! 全艦全兵装自由!』
その緊急事態に出し惜しみはなしだと判断した指揮官は、全ての艦艇にその滅びの力を解き放つように命令する。
滅びそのものが相手だというのに。
【オ!オ!オ!オ!】
竜がその体に似合う、大陸の端から端まで届くような翼で身を包み、それを再び広げ切ると、千の、万の光がその身より解き放たれ、その全てが艦隊の船に直撃した。
衝突音はなかった。直撃した瞬間に起こった爆発もなかった。光が真ん中を通り抜けた戦艦は、まるで空間そのものを削り取られたかのように、その中を、配管を消し、通路を消し、そして不運な船員の体を前半分で消滅させたのだ。
そしてほんの少しの間があり、思い出したかのように戦艦は誘爆し始め、体の半分が消滅した哀れな船員は、その死に気が付くことも無く宇宙に散っていった。
『被害報告!』
『ひ、被害は、被害は』
指揮官に被害を報告しろと言われても、オペレータが返答できるはずがない。ここに来るまでにあった幾つもの反応はまばらとなり、今だって瞬きをした瞬間ごっそりと消えているのだ。
【グオオオオオ!】
しかも。
竜が艦隊に肉薄した。その翼で、顔で、ゴミとなった機械の屑を、まだ健在だった戦艦も纏めて吹き飛ばしてだ。いくら宇宙戦艦と言えども、大陸のようなその巨躯に対しては、まるで大人の体に当たったおもちゃの小舟だ。
『ほ、本艦に接近!』
『うちおとせえええええ!』
艦隊の中で最大の旗艦に狙いを定めた竜は、至近距離でビームの光が当たろうとなんの痛痒も感じていない様に
『あ』
旗艦の艦橋を大きさに見合う口で噛み千切り、艦橋を咥えたまま滅びの光を旗艦に浴びせて消滅させた。
◆???
逃げ出した艦隊は放置する様に命じた。前回は全滅させて調査隊が送られて来たのだ。何が起こったか知らせる者がいる。
許せるものか。
この星に住まう者達の命を脅かすなど。
新しく生まれた命も、赤子も、子も、若人も、親も、年老い死にゆく定めの者も!
あれから300年経とうが人は少しずつ前に進んでいる!
それをのこのことやって来た異星人が摘み取るだと!?
否! 否だ! そんな事はあの愚かな善神達が許してもこの俺が許さん! 絶対に!
母なるこの星は未だ人の揺り篭の役目を終えていない! 人はまだ星の外へ旅立っていない! 星の外の者達に備えれていない!
俺はあの男達に俺は敗れたのだ!
僧侶に! 武闘家に! 剣士に! 魔女に! 聖女に!
あの見事な、あっぱれな男、勇者に!
そしてなにより!
希望に! 未来に! 夢に! 可能性に!
人に敗れたのだ!
ならば! ならばあの希望に敗れたこの俺が、それを絶やす者を前にしていつまでも眠っているものか!
この俺が!
闇が!
破滅が!
終わりが!
静寂が!
なにより大魔王が!
人の希望を絶やしはしない!
ファンタジー舐めるな宇宙文明!-大昔勇者パーティーに分からされた絶望大魔王が、希望野郎となって異星人からの侵略に立ち向かって人類を守る物語- 福朗 @fukuiti
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