外れレアスキル【暗算】しか取り柄のない僕は、実は【即時演算】という最強のレアスキルを持っていた!【即時演算】で無双したら何故か僕の嫁になりたい女性陣が増えてしまい困惑している。
第6話 ハーレムは続く。あとSランクパーティーのその後。
第6話 ハーレムは続く。あとSランクパーティーのその後。
数日後、ヒジリアさん……ヒジリアお嬢様のお屋敷で、住み込みで執事として働く僕がいた。
自分で言うのもなんだけど、執事仕事への馴染みはかなり早かった。もともとこういうのが好きな性分なんだろう。
ヒジリアお嬢様のお屋敷は、さすがに大きくて立派なものだった。この規模でも公爵家の別宅という扱いらしい。さすが公爵家。恐るべし。
それとこの別宅、働いてるのは僕以外は女性しかいなかった。これはヒジリアお嬢様が男性が苦手なためだそうだ。
お嬢様、僕にはグイグイ来るんだけどな……。僕以外の男が苦手ってことなのかな?
あ、ちなみにあのブリリアント――純金製のキンキラ蟻だけど、あのあと死骸を全て回収してきて、僕とヒジリアお嬢様で半々に分け合ったのだった。
だから僕はもうちょっとした財産持ちってことになってしまった。でも財産なんていつなくなるか分からないから、執事という定職をもらえたのは本当にありがたい。
ヒジリアお嬢様様々である。
「おはようございます、ラディスさん。今日もよろしくお願いしますね」
朝、朝食を持って私室に起こしに行くと、すでに目を覚ましていたお嬢様がゆったりと僕を出迎えてくれたのだった。
「はい、ヒジリアお嬢様。今日もよろしくお願いします」
「もうっ……ヒジリアって、呼びつけで構いませんのに」
「そうはいきませんよ、あなたは僕の雇い主なんですから」
そう、これは仕事。仕事はちゃんとしないとね。
「そんなの気にしなくてもいいんですのに……。それにしてもラディスさんって朝が早いのですね。いつも窓からラディスさんが早朝ランニングしているのが見えるんですよ」
「ご覧になっていたんですか。すみません、起こしてしまっていたのでしたら……」
「そういうわけではありませんよ。ただ早起きなんだなって感心しちゃって」
「前のパーティーでは朝一番に起きて剣や鎧を磨いておかないと嫌味を言われていたので、自然とそうなってしまいました」
「ううっ、ラディスさんお可哀想に……」
「なっ、泣かないでください、お嬢様」
そういえば風の噂で聞いたんだけど、元パーティーの面々は戦闘時のMP計算ができなくて、一瞬で戦線崩壊したんだそうである。命からがら逃げ帰ったのはいいものの、MP計算もできない三流冒険者とどこのギルドに行っても馬鹿にされ、あっという間に落ちぶれて、濡れた犬のような匂いをさせながらパーティーを解散したということだった。やっぱり計算ができるって大事なんだな。
「……そうですわね。今のラディスさんは花婿修行中、じゃなかった私の執事なんですから。私が幸せにしてあげないとっ」
「あ、あの」
「ではラディスさん、そろそろ朝食にしましょうか」
「はい、お嬢様」
僕はカートで運んできた朝食をテーブルに並べていく。
そうしながら、この生活も悪くないかもな、と思うのだった。
そう……悪くはないんだけど。
「ラディス君、実験しよー実験ー」
「ラディス殿、私と手合わせしてください!」
「ラディスさん、この書類はこちらでよろしいでしょうか」
「ラディス様、今度私とお出かけいただけますか?」
「ラディス様、一緒に夜空を眺めましょう」
「ラディスくん、今日も素敵ね」
「ラディスちゃん、好きよ」
「ラディス、愛してる」
これ、全部別人に言われてるんだけども……どうなってんのこれ。恐い。
うぅむ……。
「ラディスさん?」
「す、すみません。考え事をしていまし「屋敷の侍女たちがうざいのですね? 私がなんとかしますわね」いえそんな滅相もない」
目が怖い、目が怖いよヒジリアお嬢様。
うーん。まあ、いつ誰に襲われるか分からない状況ってのは怖くはあるんだよな。
けどまあ、ここの従業員の数は把握してるし、【即時演算】がある僕なら人数で押されても平気……だとは思う……けど、どうかなぁ……。
外れレアスキル【暗算】しか取り柄のない僕は、実は【即時演算】という最強のレアスキルを持っていた!【即時演算】で無双したら何故か僕の嫁になりたい女性陣が増えてしまい困惑している。 卯月ミント @shiragashi
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