舞台は既に壊されている九龍城砦。行ったことのない身ですが(というか生まれた時点で無くなってましたし)、楽しんで読むことが出来ました。
裏の世界と表の世界、その境界が曖昧と言いますか。上手く表現出来ませんが、独特な雰囲気を醸し出しているように思えます。
そしてある青年が一人の相棒と出会うことで、少しずつ成長をしていきます。
だからこそ一般のミステリーとは違うものがあると感じてます。
この作品をより楽しむためには中国の文化や風習、舞台となっている九龍城砦を知っておくことでしょうか。あくまでも個人的な考えですので、参考程度にしてください。
香港、特に九龍城に魅せられ何度も足を運んだ身として、この作品は極上ものでした。
当時の九龍城が持っていた雰囲気はもちろん、色やにおい等、五感を刺激してくれます。また香港特有の文化や人々の意識といったものまでしっかり描写されていて、それらがミステリー要素を補強しています。
いわば歴史感覚アクションサスペンスミステリーといったところでしょうか。
血なまぐさい事件が度々起こりますが、全てはとある鍵につながっていきます。ハラハラドキドキしながら九龍城の迷宮をさまよう、そんな作品に仕上がっています。
当時の九龍城が好きな方、またいったいどんな場所だったのか興味のある方は一読してみてください。サスペンスミステリー好きな方も是非とも。はまること間違いなしです!