人生を損してますね

 カンナちゃんは卒業してしまいましたが、入れ替わるように弟くん二人が入学しています。

 現在、ケンタくんとコウタくんは三年生と二年生。三年後にはカンナと一緒に名前を考えたエリナちゃんが入学予定です。


 この日は三人で野球の話をしていました。

 その前日の日曜日、ユニフォームを着て自転車に乗ったケンタくんとすれ違ったのがきっかけです。

 その流れで髪の話になりました。

「こんどコウタはハゲにするんだって!」

 ケンタくんは前髪長めに対し、コウタくんはいわゆるスポーツ刈りにしています。

「ハゲじゃないよ、五ミリだよ」

「三ミリのハゲにするんじゃないの?」

「五ミリだよ」

 この三五抗争が私に飛び火してきました。

「おじさんは髪を短くしたことある?」ケンタくんが聞いてきます。

「ないよ。いままでスポーツ刈りにしたこともない」

 そう答えると、コウタくんが一言。


「人生を損してますね」


「えーっ、どういうことよ?」

「人生、損してます」

 なぜか勝ち誇ったように微笑みを浮かべて言い切るコウタくん。

 結局、その真理は分からずじまいです。

 学校が始まったら聞いてみようかな。覚えてるかなぁ。



 いかがでしたでしょうか。

 二〇一七年から二〇二一年十二月までの中から厳選してみました。

 他にも、

「わたし、泣いちゃったの」

「お久しぶりです」

「美味しいミシン」

「常識がない」

「オアザー」

 などなど色々な名言を頂いています。

 これからも彼ら、彼女たちからどんな話が聞けるのかを楽しみにしながら登校班の見守りを続けていきたい。そう思っています。

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