第6話
コンコン。扉を叩くと、すぐに扉が開いた。
「よく来たな。
‥しかし、来るのが遅かったな。」
「すみません、遅れて。」
「まあいい。本題に入るぞ。
立っていないで、座りなさい。」
「はい。」
その辺にある椅子に座った。父さんの前には
座りたくなかった。
「昨日、いつもより帰りが遅かった
らしいじゃないか。それはこの際いい。
しかし、家に同級生‥男子を連れて来たの
は感心しないな。それについての説明。
及び、彼との関係を述べなさい。」
正直、こうなるから人を連れてきたくない。
しかし、今回は僕にも落ち度があったな。
諦めて説明することにした。
「彼は、成瀬さん。テストの時、
話して、それから接するようになった。
昨日は、帰りが遅れて‥偶然あったから
送ってくれるって言うから、頼んだ。」
「‥で?なぜ家から出て来たんだ?
そのまま帰ることなく家でご飯を?」
「母さんが家から出てきて、夕飯を
食べていくよう言って、招きました。」
「そうか。彼は、俺が送っていった。
明るい青年だな。しかし、頭が悪そう
な感じがするな。ああいう人間といると
良くない。あまり関わるべきではない。
もし危害を加えられたら、何かされたら
どうするつもりだった?
いつも考えが甘いんだよ、お前は。」
なんで、父さんにそこまで干渉されなきゃ
いけないんだ?僕が何をした?こういうこと
ばかり言う父さんが‥‥嫌いだ。でも、何も
言い返せない自分はもっと嫌いだ。
「今回の件は僕の管理のなさが原因です。
次、同じことが起こらぬよう気をつけて
生活していきます。」
「‥分かった。今回は見逃そう。
万が一を考えて行動するように。」
「はい。」
「もう戻っていいぞ。」
「はい。」
「テストの結果が返ってきたら、
教えに来なさい。期待している。」
「はい。おやすみなさい。」
「あぁ、おやすみ。しっかり休めよ。
休養も大切な行為だからな。」
一礼して部屋を出る。音が鳴らぬよう、
細心の注意を払って扉を閉めた。
‥やっと、終わった。どっと疲れが出た。
今日はもう寝よう。これ以上起きていても
非効率的だ。何もできないし。
歯を磨き、横になる。すぐに眠たようだ。
―翌朝
なんだか体がだるい。もうすぐ夏なのに、
寒気がする気もする。風邪か?
そんなことを考えつつ、顔を洗いに
下に行く。母さんが、朝御飯を作っていた。
今日は、目玉焼きとベーコンのようだ。
歯を磨き、顔を洗い、髪をとかす。
髪伸びてきたしそろそろ切ろうかな、
と思った。2階に戻り、着替えを済ませ、
荷物を持ってリビングへ向かう。
ちょうど朝御飯ができていた。
「おはよ!パンとご飯どっちがいい?」
「ご飯がいいな。」
「オッケー!ちょっと待ってねー」
テレビを見ると、パンダが産まれたニュース がやっていた。それを見ていると、明が
起きてきた。寝起きって格好をしている。
「ふたりともおはよう!ふぁ〜。
あっ!パンダ!かわいいね(⑅ˊᵕˋ⑅)」
「おはよう。もう支度しないと遅れるぞ。」
「わかったー。かわいいな〜!」
「お待たせ〜、パンダ可愛いわね!
私は、ハシビロコウのほうが好きだけど」
「ありがとう。母さんってちょっと
変わってるよね‥。」
「そんなことないわよ!!」
「あはは‥そっか。いただきます。」
ベーコンは塩コショウで味付けされている。そしてカリカリだ。そのままでもとても
美味しい。口に入れた瞬間から幸せだ。
目玉焼きは、若干半熟になっている。
箸で切ってベーコンとともに食べると、
さらに美味しい。パンにのせても美味しいの
で僕はとても好きだ。
「ごちそうさま。おいしかった。」
「良かったわ!(^^)」
歯を磨き、身だしなみを整え、家を出た。
が、傘を忘れてすぐに戻った。今日は、
午後から雨が降ると言っていたので、一応。
歩いて学校に向かう途中、成瀬さんを
見かけたが昨晩のこともあり避けるように
学校へ向かった。
朝学活まで、本を読む。推理小説だ。
推理しつつ読むのが好きだ。結構ヒントが
あるので外すことはほとんどない。
30ページ読んだ頃チャイムが鳴って、先生が
教室に入ってきた。
「おはよう!全員いるかー?
いるみたいだな。今日は、午後から
ワックスがけがあるぞ。そのために
大掃除をしたり、床磨きをしたり
たくさん動いてもらうから体操着に
着替えておけよ!じゃ、終わり!」
まずい。ワックスがけを忘れていた。
体操着なんて持ってきていない。
あ、そうだ。明に借りに行こう!中等部は
昨日のだった。しかも、陸上部だから
持ってきていないわけがない!昼にでも
借りに行くか。
そう決め、授業の準備を始めた。
あなたに逢えて好かった ₍Ꙭ̂₎ @h_5
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