引っ越したばかりのマンションで起こる怪異現象の話と思いきや、南由が遭っていたのはストーカー被害。
恋人の紘大は彼女を救うべく、ストーカー犯の調査に乗り出す、南由の親友の永里と一緒に。
読んでいるうちに不思議に思うのが、変化する紘大と永里の関係。南由のための調査のはずなのに…
一方、マンションの部屋から出られなくなってしまった南由には、幼い少女の霊が!
幼い少女の甘えるような「いいなあ、ほしいなあ」の台詞が出てくる度に戦慄を覚えるようになってきます。
タイトルにもなっている「えりぼむ」が指す物。登場人物達の不可解な言動。
深まり行く謎と恐怖に戦慄しながら、ラストまでノンストップで読んで欲しい作品です!
読み出したら、どんどんスピードがついていって、一気にラストまで追いかけてしまいました。
私は怖い話は基本的に苦手。ホラー映画もまともにみれない人なのですが、本作はただ怖いだけ、のお話ではありません。ミステリー的な要素でストーリーにひきこまれ、全体を覆う怖いのにどこかせつない哀しい空気に、登場人物たちのバックグラウンドに、彼らの迎えた結末に息を飲んでしまいました。
えりぼむの本当の意味は?!
それがわかったときにはもう、ストーリーの世界観に飲み込まれてぼんやりしてしまいました。ぜひご一読のうえ、この感覚を味わっていただきたいと思います。おすすめです。
恐いです。とにかく恐い。
そして、謎が多くミステリアスな展開で、惹き込まれていきます。
次第に恐さの中に哀しみも含まれてきて……。
そもそも「えりぼむ」というタイトルからして謎。
いったいどういう意味が?
わかったときの衝撃の大きさ。
しかも、それが……あ、いかん、いかん、ネタバレになってしまう。
時折挿入される、水色奈月さんの詩がまた秀逸で、そこはかとない恐さと悲しさを感じさせるとともに、物語の深みを際立たせているのが、また良いですね。
とにかく読んで、謎にまみれ、恐怖に震え、それでも惹き込まれていくという素晴らしい感覚を、味わっていただきたいと思います!!