Pretend

普通を愛する仁井田拓海。
それには重い理由があって……
さて、人間とは社交性のある動物である。
言葉という旋律に乗せれば悲しみだって共有できるし、痛みだって共有できる。
他の動物と一線を画することができるところは、理性もあるだろうが、社交性だってあるだろう。
当然のようにこの物語の主人公は人間であるし、俺、つまり作者だって人間だ。
むしろ作者が人間なのに羊を主人公としている物語なんてものがあるんなら見てみたいね。
いや、あったな。
世のお子様たちを喜ばせている奴があったな。
まあそんなことはさておき。
この物語はいわば、そんな仁井田君が救われるかもしれない物語だ。
かもしれない、というのはつまり先行きが不透明ってことで、俺にもわからない。
なんであらすじに作者が登場しているのかっていうのも、…続きを読む