平日午後2時、成人男性、1人暗い部屋の中で迷想中

くつ下竹蔵

第1話じゃりじゃりした気持ち

 何でこんなことになってしまったんだろ。なんでだろう、なんでだろう。どうしてこんなことになってしまったのだろう。どうして、どうして。わからないから、とりあえず頭を掻きむしってみる。カーテンと窓のわずかな隙間から差し込んだ一筋の光が、意味もなく部屋の真ん中で体育座りをしている私の足先を温める。気持ちいい。外の世界との唯一のつながりのように感じる。だけど、この暗い部屋から、カーテンと窓の間の一筋の光の先をのぞき込もうとは思えない。勇気がない。現実を見る勇気がない。怖い。私のこのただただ意味もなく次々と頭の中に沸き起こる思考の群れが、勝手に口からうめき声や嗚咽として漏れ出ていく。止めることができない。この私の頭の中の創造物は、うめき声や嗚咽のようなものでしか言葉に表現できないということを突き付けられたように感じてしまって、より陰鬱な気持ちになってしまう。足裏に張り付いた細かいゴミたちのジャリジャリした感覚が気持ち悪い。気持ち悪い。どうしてだろう。どうして私はこんな暗くて薄汚い部屋に閉じこもっているんだろう。どうして外が怖いんだろう。窓の外から無邪気な子どもたちの声が聞こえる。車たちが走り去っていく音が聞こえる。鳥が鳴いている声が聞こえる。自分は光の先をじっと睨みつける。そうだ、考えてみよう、思い出してみよう。私はどういう人間だったのかを。当たり前すぎて忘れていたことを。そうだそうだ、そうしよう。一筋の光が自分の足先を照らす。

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平日午後2時、成人男性、1人暗い部屋の中で迷想中 くつ下竹蔵 @iwannalive

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