第5話 テスト配信②+明かされる秘密
「奴隷くんは学生?それとも社会人?」
ワチモ府【アーそれ思った...ただのイケボとしか思ってなかったけど】
璃々山ゴリラ【それな】
勇者の盾の子供【右に同じく】
幽霊部員の弟子【みーとぅー】
横でした【俺はね】
ワチモ府【聞いてないかな?】
「あー僕は社会人ですよ?」
幽霊部員の弟子【おぉ...】
ワチモ府【じゃあ何かしらの仕事との掛け持ちか】
「そうですね...まぁゆとりのある会社なんで趣味ができる時間はそこそこありますね」
勇者の盾の子供【俺もそんなこと言ってみてぇよ...】
「じゃあさ!!佳って知ってる?」
ギクッ...自分の名前を言われて体がビクッとしてしまった。
知らないと言ってもいいが話がなくなって雰囲気が悪くなるのも嫌だったから...
「あー...名前だけは」
と聞いたことはあるけどあんまし知らないからな?という感じにした。
「あー...その人小説家なんだけどすっごく面白いの!!まず物語の世界観がもはや映画並みでさ!!佳さんの最初の作品の『ぬいぐるみ、人になる!』なんて最初は名前だけかと思ってみてみたらだんだんストーリーも深くなって主人公とぬいぐるみたちの絆が私たち読者を魅了するのよねぇ...」
(あぁぁぁぁぁぁ...すっげぇ恥ずい!!!!!!)
体の芯から燃え上がるように熱くなっていくのが分かる。
「聞いてます?」
ワチモ府【あー出た出た...ゆずねちゃまのオタク精神...」
勇者の盾の子供【これは長くなるぞ...】
「多分私が一番佳さんを知ってますね!!」
あれ?...なにか心がもやっとした...一番知っているのは僕だ。
何しろ本人が赤の他人より自分のことが無知だなんてあるわけがない...
「それは...ないですね」
「えっ?」
「佳のことを一番に知っているのは僕ですよ...これは揺るぎません」
声のトーンが一段階下がる。
ミネクラフトをセーブし終わらせると
「あまり言いたくはなかったですが...」
デスクの上に重なってる資料の山の中に重なってる一つのプロットを出した。
「これは『ぬいぐるみ、人になる!』のプロットです。一巻を作り上げるまでに4か月かかりました。主人公とぬいぐるみたちをどのくらい強くさせるのか...そんなことが細かく書かれたプロットです。」
そういってスマホで写真を撮りパソコンの方に送ってそのプロットを見せた。
ワチモ府【え...ガチもん?】
勇者の盾の子供【これは神展開w?】
幽霊部員の弟子【おぉ?】
璃々山ゴリラ【ktkr】
ワソケヌ【これは熱い!!!!】
「えっ!!...嘘!...そんなことって!!」
「本当ですよ!これまで作ってきた作品は僕...佳が作ってきました!!...この世で一番に作品たちや佳のことを知っているのはこの僕ただ一人です!!」
言ってしまった。
本当は登録者数が増えてから報告しようとしたのだが自分以外が自分のことを一番知っているというのが自分が自分にふさわしくないと思ってしまうようで嫌なのである。
「佳...さん?...じゃあ活動を一時中止するってのは...?」
「あり?そんな事公表したつもりはないけどな...まあいっか趣味のことに使いたいからだね。小説を書くことも趣味だけどそれ以外の趣味も欲しいからね。もちろんそのほかの趣味ってのがこれだよ。」
「...」
ワチモ府【なんか圧巻だった】
幽霊部員の弟子【魔王みたい...】
勇者の盾の子供【ゆずねちゃま完封...】
「...なんかすみませんねせっかくコラボしてくださったのに...」
「す、すごい...」
「えっ?」
「佳さんに出会えた!!握手会とか開かないから話だけでもいいからしてみたくて...私が配信を始めたのも佳さんに会いたくて有名になったら会えるかなと思ってましたまさかこんな出会い方をするとは...まさか気になった配信者が推しの小説家なんて感無量です!!」
ワチモ府【なんかいい話】
勇者の盾の子供【それな】
幽霊部員の弟子【主従関係反転しそー】
璃々山ゴリラ【すげぇ偶然】
「お、おぉ...」
正直言い方にとげがあって申し訳ないという気持ちもあったが自分のファンが有名な配信者ということが驚きでとてもうれしかった。
「さっきは言い方が強くてすみませんでした。これからも応援してくださるとうれしいです!...さてもうそろそろ配信を終わらせましょうか。ではではぁ~」
配信停止ボタンを押してふと肩の力を抜く。
まさかこんな早くに秘密を言ってしまうとは...と自分の口の軽さに驚いてしまう。
「次の作品は配信について書いてみようかな...でも難しそうだなぁ...なぁムニッコよ」
近くに居た猫を呼ぶと「お呼びかい?」みたいな顔でとことことこっちに向かってくる。
「相変わらずムニッコはかわええよのぉ...」
そんなことを言ってると
「そんなぁ...照れるにゃぁ」
「えっ?...猫が...しゃべった?...」
「私は本当は正義のヒーロー猫マリアなのだ!!」
「えっ...本当にムニッコかい?」
「ほかに何があるってのさ?」
「ほえぇ?」
少し悩んでいると
「ピンポーン」
とどこからかインターフォンの音が聞こえた。
自分の家でもない...一体どこから?!と思っているとそういえばとスマホをふと見る...
「あぁぁぁぁ!!!!」
ホーム画面だけど上の部分に通話中と書いてあった。
つまりはこの一連の不思議はゆずねのせいだということか...
それが分かった時本気でムニッコが正義のヒーローということを信じたことがとても恥ずかしくなった。
とある小説家は有名配信者となる...趣味だったんだけどなぁ~ 鬼雨とゐふ者 @moti0920
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