救いそれは悲劇狂気それは喜劇

八雲ムスビ

第1話 プロローグ

物語には始まりがあり終わりがある。その終わりは、喜劇で終わる。これは、ありふれた話だ。そして、君たちに問おう。


君たちが求めるのは、主人公がチートを持って無双する物語か?


主人公とヒロインが繰り広げる恋愛物語か?


主人公が日常を過ごす物語か?


主人公が華麗に謎を解き犯人を追い詰める物語か?


主人公がロボに乗り悪と戦い世界を守る物語か?


主人公がスポーツの世界で頂点に上り詰める物語か?


君たちは、どの様な喜劇を求める?


ふむ………上記の物語を求める君たちには申し訳ないと思う。今から綴られる物語は喜劇であり悲劇である。

 確かにこの物語は、ミステリーだ。その為、謎解きもあるが華麗に謎を解くわけでは無い。この物語は、コズミック・ホラーでもある。戦いも存在するが、チートでは無い。そしてなりより、この物語は救済は無く喜劇では無い!なら、喜劇であり悲劇であると言ったことに矛盾するのでは?と感じたかい?


 それは……主人公タイトルロール達からすれば喜劇だが、君たちからすれば悲劇だろう。そう、この物語において喜劇と感じるのは主人公タイトルロールだけだ。安心したまえ、物語の主人公タイトルロールたちは幸せになっている。まさに喜劇じゃないか。主人公タイトルロールたちが幸せになる。それは、喜劇ではないのか?主人公タイトルロールとヒロインの周りがどれだけ不幸になろうとも主人公タイトルロールが幸せだったら喜劇になるのではないか?だから、この物語は喜劇なのだ!

“わし”は、そう言い切ろう。

 ゴホン!失礼……ついつい取り乱してしまった。

 それと、これは彼女視点からしか映らないから注意してくれ。あくまで、主人公タイトルロールの物語であり決して彼女の物語では無い。


 さて、君たちはそろそろ“妾”が何者か気になっているだろう。なぜこんな話をしているのか?そして、何者なのかと。

それは…誰にも理解できないと答えよう、


“私”は、この物語の作者かもしれない。


“僕”は、この物語の登場人物かもしれない。


“我”は、地の文かもしれない。


“自分”は、説明役なのかもしれない。


“拙僧”は、君たちなのかもしれない。


だが、ここにいる……生きている!ただ1人、君たちを物語に案内するだけの役割なのだから。二次元とか三次元とか関係ない。君たちが偽物と言おうがどこかの世界線で世界の分岐点、はたまた別宇宙では生きているのだから。

さて、長ったらしい話はここまでとしよう。

さあ、物語の幕はすでに上がっている。この物語は、偉大なる主人公タイトルロールの物語。全てを喜劇で悲劇で終わらせた者達の足跡だ。

それでは、“俺”はこの辺で消えるとしよう。

また会う機会もあるかもしれない。

その時は、手厚く歓迎してくれよ?じゃ無いと寂しさのあまり泣いてしまうのでな。

それでは、良い物語を楽しんでくれたまえ。

そうそう、皆さんにご忠告を1つ。

理解出来ない怪物にはご注意を。

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