転生お嬢様「嫌ですわ!!!絶対に働きたくないですわ!!!!」

百合の友

第1話

貴族は時間に囚われない。下々の人間が朝満員電車に乗り、クタクタになりながらまた満員電車で帰宅する。なんて哀れなのでしょう。貴族に生まれなかったのが悪いのですわ。

「今どき選民思想ってw」「またお前か」「働けニート」

午前2時、匿名掲示板に持論を投下すると、そんなレスが付く。

「ニートじゃないですわ!!!!私は姫ですのよ!!!!」

「うるさい!!!今何時だと思ってんの!!!」

「ママ……」

「だいたいねぇアンタ!!いいかげん働きなさい!!!今いくつになったと思ってんの!!」

「嫌ですわ!!!絶対に働きたくないですわ!!!!」

「まぁ、そう怒鳴るんじゃないよママ、休息も人生には必要だろう?」

「流石パパ!!!よくわかってますわ!!!」

優しいパパを持って、エリカは幸せです……


~1か月後~


「リストラに遭った。エリカ、働いてくれ」

「嫌ですわ!!!絶対に働きたくないですわ!!!!」

「パパの友達が紹介してくれたんだ、大丈夫。エリカなら働けるよ」

「嫌ですわ!!!絶対に働きたくないですわ!!!!」

「……というか、パパこそ再就職しなくて大丈夫ですの?」

「……パパな、昔から夢だった演歌で食っていこうと思うんだ」

「この家は終わりですわ!!!!ていうかパパ、超絶音痴じゃありませんこと!!???カラオケでこの世の物とは思えない点数を叩き出したこと、エリカは忘れてませんわよ!!」

「機械には分からない良さってのがあるのさ」

「どう取り繕っても精密採点アベレージが26点はフォローができませんわ!!!」

「ほら、実はこれからパパの友達がこれから来るんだ。軽く話をして、問題なければ採用だよ」

「話が急すぎますわ!!!……そもそも、パパの友達って何してる人ですの?」

「ん?ああ、実は最近知り合ってね、中小企業の社長さんらしい。自社商品の広告で、キャンペーンガールを募集しているらしいんだよ。主力製品はマムシドリンクだったかな」

「嫌ですわ!!!マムシ大っ嫌いですわ!!!!そもそも怪しすぎますわ!!!!」

「あ、もう来たみたいだ、エリカ、ほら、そのクソダサ芋ジャージを脱いで、この服に着替えるんだ、あ、はーい、今行きまーす」

「もう……話をするだけですからね」

手渡された袋の中から、着替えろと言われた服を取り出す。

ペラペラの水着がヒラリと現れた。

「これ絶対にアウトなやつですわ!!!!!」

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転生お嬢様「嫌ですわ!!!絶対に働きたくないですわ!!!!」 百合の友 @yurinotomo

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