踊る文字列
ー肌が合わない
私はさっき借りたばかりの小説を閉じると、上を向いてため息をつく。先程まで読んでいたこの小説は佐代子が面白いからと勧めてきた本だ。
私は話題作りにと、放課後に図書館によってその本を借りたのだ。だが結果はこの通り、紙に印刷されて動かないはずの文字列達が私には踊って見えた。ようは物語に入り込めなかったのだ。私はただ文字を追うだけで、具体的なイメージが湧いてこない。
感想を期待する佐代子のことを考えると前頭葉が重くなっていくのをひしひしと感じた。
「はぁ〜。」
私はもう一度大きな溜息をつくと、再び踊る文字を追い始める。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます