(結末含ネタバレ有り)梗概と元ネタ

本作は、芥川龍之介の「羅生門」が元にした説話2つに、さらに2つ説話を足したもので、小悪党がただものならざる存在に出会ってしまう短編小説です。


あらすじが分かってからのほうが読みやすい方もいるとおもい、梗概を以下に記します。結末とネタバレを含みますので、ご容赦ください。




生活苦ゆえ蛇の肉を魚と偽って売り歩く太郎は、賄賂がきかない検非違使の持衡により悪事を暴かれる。


太郎は逃げ延びるため、山中の小屋に飛びこみ、中にいた老婆ならびに明子という女性を人質にとった。


小屋の中で太郎は、いっぱしの悪党を気取ってみたが、すぐに神経をすり減らす。老婆は不穏な発言ばかりだし、明子に至っては怪力の持ち主だった。


結局、太郎は籠城を諦め小屋の外に飛び出すも、検非違使の持衡と応援に駆けつけた明子の兄に取り押さえられる。


太郎は、尋問のため持衡によって小屋に連れ込まれる。すると持衡は、老婆の正体が平安京を騒がせた人肉売であることに気づく。


結果、小屋の中で新たな緊張が生じ、太郎はすきをついて逃げ出す。老婆は山姥という正体をあらわすと検非違使を殺して、明子すら殺そうとするが、太郎の機転もあって明子は山姥を成敗する。




元ネタは以下の三点です。今昔物語集が今日まで伝存することに貢献した方々に感謝いたします。

巻23の24番目:相撲人大井光遠妹強力語

巻23の24番目:玄象琵琶為鬼被取語

巻29の18番目:羅生門登上層見死人盗人語

巻31の30番目:大刀帯陣売魚媼語

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魚売と豪力娘 糸賀 太(いとが ふとし) @F_Itoga

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