〇どうしてラスボスは無機系上位存在になりがちなのか?
Q:どうしてラスボスは無機系上位存在になりがちなんですか?
A:一番それっぽいからだよ。
~完~
……と終始してしまうところを掘り起こしたのが、今回のテーマとなります。
前回(前々回)で続編が三作目となる学園ジュブナイルに着手している旨をお話ししましたが、キャラクターづくりでつまづいたように、ラスボスの設定でもものの見事につまづきました……それが「ラスボス、無機系上位存在になりがち問題」です。
ここで言う『無機系上位存在』とは、「神・創造主や人類の感情などといった、ラスボスによく見る奴」のことです。こういう倒すのに後ろめたさがない奴と未来のために戦ってる時、主題歌のオーケストラアレンジが流れてると最高に盛り上がるんだから……。
しかしながら、これはかなり難儀な問題です。なにせ便利です。どこぞの天才が世界征服に乗り出したり、主人公に拗らせた感情を持ったライバルが人間を辞めたりするよりも、その背後に無機系上位存在がいると単純に箔がつきます。
と言いますか、既に一作目も二作目も無機系上位存在がラスボスでした。二作目は終盤の展開にモデル化した好きな展開を差し挟んで事なきを得ましたが、それでも三作目まで無機系上位存在がラスボスにはできません。上手い方であれば、三作目も無機系上位存在をラスボスにしても面白い展開にできるのかもしれませんが、一般執筆者の当方ではそうもいかないのが本音です。ラスボスのタイプが類似しては、展開も類似して形骸化しかねません。
そんな中、あくまで試作段階ですが、これを解決する方法を考案してみました――題して、「ラスボスサンドイッチ」です。
前述の、世界征服に乗り出したりする天才や、主人公に拗らせた感情を持って人間を辞めたりするライバルの背後に、無機系上位存在がいるパターンはよくありますが……その更に背後に黒幕がいるパターンであれば、物語の二転三転が狙えます。
つまり、「悪役←を操る無機系上位存在←を操る黒幕」という形です。
これは『無機系上位存在』の例に挙げた「神・創造主や人類の感情など」の後者にのみ適応できますが、強大な力を持つがゆえに無垢、あるいは無知蒙昧であり、そのために更なる黒幕の傀儡にされてしまう……というものです。ホラーで言うところの「結局、人間が一番怖い」に帰結するものでもあります。強さの問題も、無機系上位存在を取り込んで真ラスボスと化せば突破できますし、なんのために動くのかの感情面を工夫できれば、差別化も図りやすいのではないでしょうか。
よく魅力的な悪役の作り方は見かけますし、最近では『ジョジョの奇妙な冒険』で知られている荒木飛呂彦先生が本を書かれています。今回の文章はそれら芯の通った創作論よりも即物的ですが、正直悪役の描かれ方よりも論説が少ないので、自分で探していても困っていました。
方法を発案された方はコメントしてくださると大変助かります。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます