あとがき
ここまで物語にお付き合いいただきありがとうございました。
このお話は投稿を始める半年前に書き上げたものです(人生で始めて書き上げた短編じゃない小説)。
下書きを書き終えた時点で10万字に届いていなかったため、ラストの追加エピソードを書き足したのですが、その理由のほかに、半年振りに自分で読み返してみると、意外と悲しい、報われないオチに感じられたので、救済の意味も込めてという理由もあります。
どうだったでしょうか? 蛇足じゃなかったでしょうか?
それと、お話の中で片付いていない問題もいろいろあると思います。
その辺でモヤモヤが残ってしまった方のために、作品外ではありますが、補足を記載しておきます。
大きなところでは『モヤゾンビを完封したとしても、閉鎖空間になってるっぽい学校の敷地から、彼らは外に出られるのか』問題ですが、それは今回のお話のテーマではなかったので描写は省きました。
それと、『全国で頻発していた他の予知夢はどうなったのか』問題。
実はこのお話は、自分の中では、もっと大きな構想のある物語の、一部を切り取ったスピンオフ作品的な位置付けでして。佐野たちが謎の頭痛のような揺れを感じたのと同じタイミングで、掲示板に書かれていたような超常現象が、実際に全国規模で起きている、という裏設定があります(地域ごとに、モザイク状に様々な現象が発生中)。
全国で無数に起きている未曾有の事態の中の一例として、佐野たちの場合はどうやってそれを乗り越えたのか、というのが、この「予知夢的症例」という建て付けになっています。
壮大な謎解きを期待して読まれていた方がいたとすると、肩透かしであり、期待外れの結末であったかもしれません。もしそうであれば、本当にすみません。読み手に期待させるベクトルをコントロールできなかった筆者の力量不足です。
ただ、少し言い訳をさせていただくと、筆者はこの物語の骨子のテーマを、限られた情報しかない中でどうやって最善を選んで生き残るのか、であると捉えています。
なので、主人公たち目線では分からないことがあるのは当然で、筆者的にはこの一篇で完全に完結したお話だと思っています。
作中で磯部にも言わせましたが、最後に都合良く、何もかも全て説明されるのは物語の中だけ。
普通の人間が、分からないという不安や恐怖の中で、それにどう立ち向かっていくのか、という部分に共感を覚え、ハラハラしていただけたのなら、それはこの作品にとっての本懐であります。
叶うのであれば、最後まで読まれた皆様お一人お一人にとって、本作がどのような物語に映ったのか、感想欄等でお聞かせ願えましたら幸いです(エピローグは必要だと思います? 夢が本当は白峰視点だと最初から察しは付いていましたか? その真相に納得感はありましたか? などなど聞いてみたいことは色々あります)。
最後に改めて。筆者の長い空想にお付き合いいただき、ありがとうございました。
予知夢的症例◆ある学生の考察とアプローチ 磨己途 @VvXxXvV
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