濃厚な夜の香り。思春期の危うさを優しく包む、このシリーズ

まず最初にこの小説を説明すると、一言で表せば純文学です。
短編ですので、ネタバレは無しということで、簡単な内容を。
1万字、4話構成なので、3~5分ほどで読めます。
高校を舞台として、ヒロインの瑞々しい感性、思春期の弱さ、そして強さを得ていく物語です。
心を抉られる描写も多く、なかなか辛い環境だなと感じることもありますが、だからこそ胸に響く。
静かな文体、抑制を効かせた感情がしみていきます。
冬の夜長に、静かな純文学を読んでみたいな、という方におすすめです。