第122話 エピローグ
俺たちは帰って来た。
魔王を倒したことを告げると、みんなに褒められまくった。
非常に照れくさかった。
その後は、各地で表彰されたり、勲章を授与されたり、取材の申し込みが殺到したりした。
しばらくは、それらの対処に追われた。
戦いが終わっても、忙しいのかよっ!?
まあ、戦いで忙しいよりは良いけどな。
その後は平和に暮らした。
カナと結婚して、子供ができたし、孫もできた。
本当に充実した良い人生だった。
これで満足だ。
と思う、多分。
そして、俺の人生は幕を閉じた。
はずだったのだが……
なんでここにいるんだ!?
ここは転生役場の中じゃないか!?
あの口の悪い受付嬢の天使がいるぞ!?
「お疲れ様です。あなたは死にました。今のあなたは魂です。この場所の説明は必要ですか?」
「ええと、ここに来るのは6度目なんだが、前回から相当時間がたっている。聞いといた方が良いのかな?」
「説明が面倒なので、不要ということで良いでしょう」
おい、こら、何言ってんだ、こいつは!?
「職務怠慢だろ!?」
「コスト削減のためです」
相変わらず、ろくでもない天使だな!?
「それでは採点を致します。……終了しました。こちらが評価となります」
では、見てみるか。
ええっ!?
はた迷惑なものを送ってきたので、評価はマイナスだと!?
それって、絶対に魔王のことだよな!?
どういうことなんだ!?
あいつは、いったい何をやったんだよっ!?
「あの、この評価について聞きたいんだけど。はた迷惑なものって、魔王のことなのか?」
「はい、その通りです。転生町を破壊しようとして大迷惑でしたよ。天使たちでおしおきしておきました」
「それは申し訳なかったな。それで魔王はどうしたんだ?」
「町の外で働いてますよ」
ええっ!?
ここで就職だと!?
「それって、敵としてか!?」
「その通りです。気が向いたら行ってみてはいかがですか。さっさと生まれても良いのですがね」
「考えておくよ」
「では、あなたがどのように生まれるのかを決めます。来世設定ガチャで」
来世はししゃもだった。
またなのか!?
本当に縁があるよな!?
さて、せっかくなので、魔王のいる場所に行ってみるか。
あれ?
そういえば、魔王はどこにいるのだろう?
ちょっと案内板を見てみるか。
見てみたら、町の外に笑死族の拠点という場所が追加されていた。
ああ、ここにいるのか。
では、装備を整えてから、行ってみようか。
到着した。
そこには前に見た覚えのある、とぐろを巻いた茶色の蛇のような巨大な建物があった。
魔王がいると、すぐに分かるデザインだな。
中に入ってみた。
そこは高級なホテルのような場所だった。
外見と違い過ぎるだろ!?
まあ、良いか、進むとしよう。
道中には四大賢者、最奥には魔王がいた。
魔王は俺のことを覚えていたようで、愚痴を言ってきた。
無視して、ビームでぶっ飛ばして倒した。
戦利品として、超能力、魔王と笑死族召喚、と書いてあるカードを手に入れた。
ええっ!?
あいつらを召喚で呼び出せるようになるのか!?
戦闘能力が高いから、それなりに活躍してくれそうだな。
せっかくなので、覚えよう。
よし、覚えたぞ、あいつらとも長い付き合いになりそうだな。
さて、また来世のために、がんばってカードを集めようか。
完。
あなたは死にました。次の生に向けて準備してください。 三国洋田 @mikuni_youta
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