第3話
「う~ん」
電車が駅に停車した。
後者を促す柔らかな音色のアナウンスが、流れる。
読み上げられた駅の名前は、僕の知る駅じゃない。寝過ごしたんだ。つまり、さっきまでのことは
「ただの夢?」
僕は、自分の袖を見た。うっすらと、青いインクが付いている。慌てて落とそうとしたかのような、淡い色合いだ。
僕は青いインクのペンを持っていない。さっきのことは、本当にあったんだ。
服装は、元に戻っていた。僕は、これ以上目的地から離れないように、慌てて列車を下りた。
地図を見ると、すでに、だいぶ遠くまできている。
「いつの間に、鉄道で旅してたんだ」
僕は、そう呟いて、星が瞬く空を見上げた。
眠りから始まる鉄道の旅 曇空 鈍縒 @sora2021
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