第125話 【おまけ話】金髪天使さん
◇◇◇
金髪天使さんがハゲ中年のやらかしの後始末をして回っていた時に。
こんな事もありましたよ、という裏話です
◇◇◇
日本の田舎と呼ばれるような地方にあるお屋敷、畳敷きの和式な部屋の中で一人の眼鏡を掛けた少女と天使二人が向き合い話をしている
「この度はご助力有難うございました! そして巻き込んでしまい申し訳ありません!」
金髪髪の天使が畳敷きの和式な部屋で座布団から降り、一人の少女に向かって土下座をしている。
少女はその行動に動揺してもう一人の天使に語りかける。
「……こやつなんだかテンションがおかしくないかのう? 前に会った時と違ってるんじゃが……」
土下座をしてない銀髪の天使が困惑をしながらそれに答える。
「さきほど所用から帰ってきたらこの有様でして、さっきまでキラキラ光ってたんですよね」
「気力が充実して居る感じよの……そうさなぁ天使には統治を丸投げしとるし此度の仕儀はどうでもいいとも言えるのだが……天使の誘導ミスで温泉旅館が一つ潰れたのも確かだしのう……ふむ……」
眼鏡少女は何かを考えている、土下座をしていた金髪天使も上体を起こし姿勢を正して少女の言葉を待つ。
「なぁ天使殿、そなたがそこまで元気になった理由を教えてくれたら此度の事、一切不問にしようではないか、それと他の神々との間も執り成してやろう」
眼鏡少女の言葉に金髪天使は動揺しながら返事をする。
「いや、玉乃様それは……ちょっと仮眠を取ったら元気になりまして……その……べ、別に何かを隠してる訳ではなくてですね……ちょこっと寝たら元気になっただけでして、本当に何も無いんですよ? 何も!」
銀髪天使はオデコに手を当て困り、眼鏡少女は含み笑いを堪えている。
「くくっ、お主は隠し事が出来ん奴よの、お主らが隠そうと情報封鎖をすればするほど知りたがる暇な神々はおるという事じゃ、そして私の目から隠せるはずも無し、お主、自身の神以外からリソースを受け取ったな? はてさてそんな事が出来るのは仙人かそれなりに力のある神か……しかしそれなら情報を隠そうとするはずも無い……か」
金髪天使は慌てて眼鏡少女に頼み込む。
「あわわわわ先生は、モミチロー先生は関係ないんです! どうか神々の暇つぶしに巻き込んだりしないであげて下さい! あの方は私の希望なのですから!」
銀髪天使は、やっちゃったよこの天使は、といった表情で金髪天使を見ている、そして眼鏡少女は我慢出来ずに吹き出した。
「ぷっくくくあはは、こんなだからお主を交渉に来させると楽しいのよ、大丈夫じゃよ玩具にしようとは思っとらんわい、ただ他の神の牽制の為にもな……ちこっと儂に話してみんか? のう? 悪いようにはせんて」
金髪天使は自分の失言に気づくもすでに遅く、銀髪天使の方へ目線を向けると顔を横に振られ……諦めたかのように語り出す。
「……モミチロー先生は神の手に至る可能性を秘めた揉み師です――」
部屋の中の会話は終わらない。
ダンジョンのある現代 戸川 八雲 @yakumo77
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