《奇生種屋》

作者 橘紫綺

20

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★★★ Excellent!!!

ある村で突然流行り出した奇病。
手足に痣ができ、痣ができた者は激痛とともに手足が腐り落ちるという。
だが、その奇病は、病を治してくれる《奇跡の掛け軸》でおさまった……はずだった。

《奇跡の掛け軸》を求めて村へやってきたのは、刀を佩いた盲目の少女・依代と、彼女の従者である祥之助。
だが、掛け軸の持主である誠二郎は、すでに掛け軸はないと言い――。

依代様と祥之助さんのやりとりがとても軽妙で大好きです!(≧▽≦)
笑顔でぐいぐい押していく依代様の言動は小気味よくもあり、そんなに言っちゃって大丈夫!? と心配にもなり……。
祥之助さんの苦労がしのばれます(苦笑)

《奇跡の掛け軸》とは、何なのか? なぜ奇病が村を襲ったのか。
依代様と一緒に謎を追ううちに、きっと物語の魅力から抜け出せなくなると思います!(≧▽≦)
興味のある方はぜひ覗いてみてくださいませ~!(*´▽`*)

★★★ Excellent!!!

村を襲うおぞましい奇病に、人々はあらゆるものに救いを求めておりました。その奇病を治癒するという菩薩を描いた『奇跡の掛け軸』にたどり着いた人々は、「ささやかな条件」を承諾し、有難くも救済されますが、『奇跡の掛け軸』に描かれた菩薩は、いつしか鬼へと変貌を遂げます。

菩薩はどこへ消え、鬼はどこからやってきたのか——依代という名の盲目の少女が、見えない目で本質を射抜きます。

それはそうと、盲目の彼女は、視力はなくとも不自由はないようです。
それでも光を取り戻さんと願うのは、彼女の持つ強さでもある反面、一種の弱さでもあるように思え、いとおしさを覚えます。

何度と気持ちを踏みにじられて、何度と絶望しようとも、それでも人間は素晴らしいと信じていたいのは、果たして菩薩の方か鬼の方か。


さて、こちらをご覧の皆様は、誰かや何かの優しさや善意、親切、ひいては安全・便利の上に胡坐をかいて、まさか感謝の気持ちを忘れた方などはおられますまいね。ぎくりとされた貴方、そろそろ「鬼」に食われますよ?