概要
おら来いよぶっ飛ばしてやる。 ※作者はあまりのことに錯乱しています。
我が下宿(十一畳)に突如現れたケバエとの戦い、その空しさをほぼリアルタイムでお届け。
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- ★★★ Excellent!!!「ぶン」か「ぶぶぶぶン」か「ぶぶぶぶぶぶン」か
志賀直哉の『城の崎にて』に斯様な一文がある。
──直ぐ細長い羽根を両方へシツカリと張つてぶーんと飛び立つ。
この「ぶーん」──谷崎潤一郎著『文章読本』の中でやたらと褒めちぎられている。
──殊に「ぶーん」を「ブーン」と書いたのでは、「虎斑の大きな肥つた蜂」が空気を震動させながら飛んで行く羽音の感じが出ない。また「ぶうん」でもいけない、「ぶーん」でなければ真直ぐに飛んで行く様子が見えない。
「もしや谷崎は志賀に弱みでも握られていたのでは?」と勘繰ってしまうほどの褒めっぷりだが、まあ云わんとしていることはわかる。何より「最適な言葉はたゞ一つあるのみ」を信条とする谷崎のこと。彼の感性に従え…続きを読む