第43話
ロード
対ダンジョン用兵器。
またの名を過去の成功への道を人類の持つ二重螺旋の軌跡から検索し、実行する兵器。
もちろん騎士たちはそんなことは知らない。
あくまで超人になれる実践段階前の兵器としか認識していない。
上層部の人気は魔法式を用いて螺旋構造体に直接語りかける手段があることを知り、その研究成果としてロードが生まれた。
ロードの凄いところは生きたまま退化と進化を繰り返しているということだ。
退化は螺旋構造際に直接語りかける際に行われる。
そしてその対価下取り元の体に戻る、これが進化に該当する。
では、この進化はさらに飛躍させることで、人類を超えた化け物を作成することはできないか?
これは現状の目標であり、生物兵器のようなモンスターになりうる可能性が、ある事はもちろん、騎士達には知らされていない。
ただし、命に関わる危険性はあることは伝えている。
異常なまでに危険な研究だが、その分成果は出ている。
平兵士が使えば騎士団長クラスの能力を手に入れる。
また人によっては魔法を覚えたこともない人物が一瞬で魔法をどんどん覚えていく、そんな現象が起っていた。
そしてダンジョン探索を限界まで行った英雄の子孫たちがロードを使うと自然と先祖の偉業を起こし始める。
「ロードの様子がおかしい。
ふだんならば、ダンジョンをみるみる内にこう略していくというのに、なぜ攻略できていない。」
「対象、自分のロードは反応致しますが、どうしましょう。」
「ならこちらもロードを発動しがそちらのロードに従いつつ攻略を始めるぞ。」
たまたま隊員に反応する者はいたが、このダンジョンはおかしい。
このアンデッドタウンに対して、幾層もの迷路が配置されているかと思ったら単純な道筋しかないし、その分、建物内に入ろうにも異臭が強すぎるので中々進めない。
やる気を削ぐなら、あちらの狙いかもしれないが、ロードが反応する以上、こちらは先に進むしかない。
ダンジョン側がどのように考えているか、まったくもって理解できていない状況で、敵の人知に飛び込む状況はとても厳しい状態だ。
いつどこで襲われても罠が出てきても、モンスターが出てくる可能性だっていくらでも考えられる。
それに、このアンデッドの腐臭の匂いによって、ほかのモンスターの気配が紛れてしまうのではないだろうか。
足音だってアンデッドの音で誤魔化されている気がするようで。本当に怖い。
このような経験、奇襲部隊に参加していたとしてもそうそう味わえるものではない。
騎士団長は見えない敵に対して改めて心を静かに沈めようと川のせせらぎを思い出しながら瞑想をしつつ敵に供えていた。
だが、これが命取りとなっている。
あまり大きな敵と勘違いしたまま想定しているあまり周りにいる、小さな生物たちに一切気づかないまま我々は進んでいた。
人類最大の天敵と謳われる殺し屋が彼らのすぐそばに迫っていた。
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スライム道
異世界行っても小心者のダンジョン。一応現代に戻れるみたいです。 スライム道 @pemupemus
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