第4話 テンプレは異世界設定のプロット

 有償無償、様々な異世界設定創作用のテンプレートが公開されています。その中から自分に合ったものを探して使うのは好い手です。

 しかし、自分で使ってみると、どのテンプレも帯に長し襷に短しです。自分には必要のない項目、答えようのない項目も有れば、自分が想定する項目な無い場合も有ります。

 そこで得た結論は、自分でテンプレを作るのが一番だということです。既存のテンプレを参考にしながら、必要な項目と不要な項目を選り分け、足りない項目を付けたすのです。


 エールンドレの設定を作る時、異世界ファンタジー設定コンテストの「部門」をテンプレ代わりに使いました。異世界設定コンでは以下の様な部門が設定されていました。


  神話・歴史・宗教部門

  地理・国家・組織部門

  モンスター・種族部門

  職業(クラス)・特技・技能部門

  魔法・異能部門

  武器・アイテム部門


 テンプレ項目が細分化されてて多ければ良いとは思ってませんので、だいたい以上の様な感じで十分と思われます。


 拙稿『エールンドレ』は全22話から成ります。その中、核心的部分は以下の11話です。その他は補足説明みたいなものです。


第一章【地理概説】

001 洞窟の先に広がる箱庭の様な楽園――エールンドレのエンデルーン


第二章【歴史・神話】

002 始祖サルマルドの建国紀


第三章【言語・民族】

003 エールンドレに住まう民たち


第四章【宗教・神々・妖精・悪魔・魔法】

004 エールンドレの信仰


第五章【王朝】一

005 エールンドレの爵位


第五章【王朝】二

006 エールンドレの官職


第六章【社会・文化】一

007 エーレンドレの服飾


第六章【社会・文化】二

008 エールンドレの気候・風土――総説


第六章【社会・文化】三

009 エールンドレの気候・風土――ハルボルズ山脈・ラーグ高原・ウェーシャゲスターン森林


第六章【社会・文化】四

010 エールンドレの気候・風土――ロードバール平原


第六章【社会・文化】五

011 エールンドレの気候・風土――王都ペイテフト


 当初はテンプレ通りに作ろうと思っていました。しかし、書いてる中に形式が崩れ、上のような形に落ち着いてしまいました。

 テンプレは小説のプロットみたいなものです。書いている中にプロットが崩れてしまうなんて、よく有ることだと思います。


 テンプレについて話を立てておいて何ですが、テンプレいい加減でも、異世界設定コン最優秀賞取れた訳です。テンプレは決定的に重要なものではないとも言えます。それでもテンプレを参考にしたことで、随分と構想の整理と執筆に役に立ったと思っています。自分にとって使いやすければ、形式はどうなっても好いのです。


 エールンドレの章立てが自分にとってのテンプレになっております。異世界設定コンの「部門」を参照したつもりですが、似ても似つかないものに成ってしまいました。

 第五話以降は、エールンドレの章立てをテンプレ代わりにして、異世界設定を解説します。

 第四話の最後に、異世界設定コンの「部門」とどう対応するのか紹介します。


第一章【地理概説】

 ずばり「地理」です。自然地理的な面を重点に置きました。


第二章【歴史・神話】

 「神話」と「歴史」に該当しますが、それらを分けて考えず、敢えて混同した形に設定しました。


第三章【言語・民族】

 「種族」に該当します。人間しか想定してないので、この様な形になりました。


第四章【宗教・神々・妖精・悪魔・魔法】

 「宗教」「モンスター」「魔法」「異能」を全て統合した形で捉えました。


第五章【王朝】爵位と官職

 「国家」「組織」「職業」に該当します。エールンドレの設定の中で最も大きな比重が置かれています。


第六章【社会・文化】服飾と気候風土

 「地理」の再述です。自然地理条件を基礎に人文地理的な説明に重点置きました。

 「特技」「技能」「武器」「アイテム」については特に言及しませんでしたが、敢えて言えば、ここに含まれております。


 結局、テンプレは小説のプロットの様なものです。

 言い換えると絵の下書きです。絵の巧い人は下書きなしで正確なデッサンを描き上げてしまいます。

 自信のある人はテンプレに頼らず書いても全然問題ないでしょう。しかし、デッサンの当たりを付ける様な感覚で、テンプレに頼るのは便利と言えるでしょう。




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想像から創造する異世界 犬單于 𐰃𐱃 𐰖𐰉𐰍𐰆 @it_yabghu

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