湖
白川津 中々
■
みそ汁飲みてぇと思ってからが早かった。
沸かした湯を椀に注ぐ。先んじて投入しておいたインスタントの味噌やら種やらを混ぜ準備は完了。飲み干す。完飲。その時間僅か三秒。世界記録である。
「足んねぇよなぁ? 足んねぇよ」
一人語ち琵琶湖へ。のぞみで二時間小旅行。ロマンシング滋賀。駅に着き、ダッシュで移動。存外距離があり汗だく。だがいい。それがいい。汗をかけばかくほどに高まるみそ汁欲求。待たれるその時。高まる気運。心躍らせ走る事十五分。目の前に広がる広大な湖、琵琶湖。あぁ素晴らしきかな日本一。景観は上々である。
「ちわーサ〇ワでーす」
ちょうどいいところに移動中頼んでいた荷物が届いた。即日配送とは気が利いている。いい時代になったものだ。
「そこに置いておいてくださーい」
「かしこまりやしたー」
置き配指定。去っていくサ〇ワ。目の前には大量の段ボール。何を頼んだのかって? 決まってんだろ! インスタント味噌汁だよ! 開封! はい出ましたあ〇げ! これを取り出して琵琶湖にIN! ひたすらにIN! 朝も夜もなく投入投入投入! 完了! 全投入完了! 琵琶湖が味噌汁になったよ! よーし飲み放題だ! 飲むぞ~~~~~~~!
まっじぃ……
生臭さと生温さで死にそうになる。なんだこれ? 俺は熱いみそ汁が好きなんだよふざけんなよ! もういい! 帰る!
怒り心頭となり帰宅。道すがら、吉〇家でたらふくみそ汁を飲んで満足。やっぱ普通に作った方が美味いわ。
湖 白川津 中々 @taka1212384
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