私はこの手の小説は一切と言っていいほど読みませんし、まして書くことさえもありません。
たまたま、ツイッターで紹介されていて、これはと思わせる紹介がされていたので、拝読いたしました。
なるほど、確かに、私には異世界がどうこう、冒険者がどうこう、そんなことはさっぱりわかりません。しかしながら、そんな私でも、この作品の世界がどんな所かが、読んでいけばわかるようになっています。
そして何より、主人公が相手の発言をしっかりと聞き取り、相手の抱える問題点をあぶり出させて自ら気づかせ、改善策を提示させる、その過程が、実によく描かれています。
およそ人の生きている世界というのは、古今東西、異世界であろうが何だろうが、そう変わるものではない。本質は、さして変わらない者であるということを、改めて感じさせられました。
それこそ、プロ野球の名コーチと呼ばれる人の本を読んでいるような感覚で、読ませていただきました。