雨のバカヤロー
樹(いつき)@作品使用時の作者名明記必須
雨のバカヤロー
仕事の残業と秋雨前線の影響で電車が遅れてしまい、家に着く頃には日付をすっかりまたいでいた。
俺が送ったメッセージに既読は付かないままだった。
不安に思った俺はどしゃ降りの中、雨で濡れる事も気にせず全速力で家へ帰った。
不安は的中。君の荷物が綺麗サッパリ全て無くなっていた。
テーブルには書き置きがあり、そこには
「誕生日、一緒に過ごしたかった」
と記されていた。
俺はそれでようやく、君の誕生日が昨日だという事を思い出した。
君からの連絡が無いまま、一年の時が過ぎた。
トントンとドアを叩く音が聞こえた気がして、慌ててドアを開けた。
そこには誰もおらず、激しい雨がドアに叩きつけて
いただけだった。
「なんだ…雨か…」
切なさと虚しさで涙を流しながら、俺はケーキの
ロウソクに火を着けた。
「誕生日おめでとう」
雨のバカヤロー 樹(いつき)@作品使用時の作者名明記必須 @ituki505
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