ビッグバン

おかずー

ビッグバン

 ビッグバン(Big Bang)とは、その1~仮説~


 ビッグバンは、約150億年前に起きた大爆発を指す。この爆発により、超高温・高密度の状態から急膨張しはじめ、その後の急激な温度降下の過程で素粒子が生成されて今日の宇宙ができたといわれている。


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 ビッグバン(Big Bang)エピソード、その1~掃除当番~


山口やまぐちくん、申し訳ないんだけど、今日の掃除当番代わってもらえないかな? ちょっと体調が悪くて」

 ホームルームが終わってすぐ、みなみさんが俺の席にやってきた。

「大丈夫? 掃除当番代わるくらい俺は全然大丈夫だよ」

 俺はクラスの中で、いや中学校の中でも一番可愛いといわれている南さんから声をかけられたのが嬉しくて、誇らしげに返事した。

「本当にごめんね。今度、山口くんの当番、私が代わりにするから」

 南さんがせき込む。そんな南さんの様子を見て、俺は慌てた。

「掃除当番なんて代わってくれなくても大丈夫だよ。それより、今日は早く帰ってゆっくりしなよ」

「ありがとう。それじゃあ、また明日ね」

 南さんが弾けるような笑顔を俺に見せた。それだけで俺は天にも昇る気持ちになった。密かに思いを寄せている南さんと、こんなに長く話したのは初めてだった。

 南さんが帰った後、俺が鼻歌交じりに掃除をしていると、教室に残っていた女子生徒の会話が耳に入ってきた。

「南、今日デートらしいね」

「最近付き合い始めたっていうA高校の人でしょ。年上彼氏って憧れるよね。しかもめちゃくちゃ格好いいんだって。まさに美男美女カップル!」

 その会話を聞いて、俺は思わず心の中で叫んだ。


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 ビッグバン(Big Bang)とは、その2~行方~


 宇宙の始まりはビッグバンで、いまなお膨張を続けているとされるが、いずれ縮小に転じて宇宙にある全ての物質と時空は無次元の特異点に収束するビッグクランチを迎えるともいわれている。


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 ビッグバン(Big Bang)エピソード、その2~説教~


 先週、隣の部屋に若い女性が引っ越してきた。一人暮らしのようだけど、毎晩のように友達を呼んで飲み会をしているらしく、夜遅くまで騒がしい。

 私たちのように五十歳を過ぎて、夜の十時前には就寝につく老夫婦にとっては看過することはできない問題であった。そこで苦情を言うことにした。大家さんに報告して対応してもらうという手もあったが、大家さんは我々よりもさらに高齢の女性なので、万が一なにかあってはいけないと思い、直接行くことにした。

「いまの若い奴らってのは常識がないんだよな。自分たちさえよければそれでいいと思ってるんだよ」

 正人まさとが厳しい口調で言及した。正人は普段おとなしいが、怒ると怖い。巣立っていった子供たちも、父親のことを随分と恐れていた。

「彼女の今後のためにも、ここは周りの大人たちがきちんと説教してあげないとダメだ」

 眉を吊り上げる正人の顔を見ながら、今回の件は少し荒れるかもしれないと思った。

 夜、八時を過ぎたあたりから隣の部屋が騒がしくなり始めた。複数の女性たちの甲高い笑い声が聞こえてくる。

 私たちは揃って部屋を出た。正人は一人で行くと言ったが、相手からの反論を受けて正人の怒りが収まらないようなことが起きた場合のブレーキ役として私もついていくことにした。

 正人が隣の部屋のチャイムを鳴らす。すぐに扉が開いた。

「なんですかぁ?」

 若い女性が出てきた。部屋着なのか、胸元が大きくはだけたワンピースを見につけていた。

「隣に住んでいるものですが、ちょっとここの部屋が騒がしくて、迷惑しておりましてね」

 正人が抑揚なく告げる。言葉の奥に、激しい怒りが潜んでいる。

「ごめんなさぁい! 私、田舎から引っ越してきたばかりで寂しくて。友達と会える時はつい嬉しくなって大きな声を出しちゃうんです」

 女性が正人の手を取る。正人は払いのけようとしたが、女性は正人の手を放さなかった。両手で正人の手を握ったまま、あろうことか、正人の手を自分の胸に押し当てているではないか。

 その様子を見ながら私は心の中でため息をついた。そんな色仕掛けで正人の心を動かすことなど決してできない。

 正人が静かに口を開く。

「そうですかぁ。それなら仕方ないですよね」

 鼻の下を伸ばしながら言った正人の横顔を見ながら、私は思わず心の中で叫んだ。


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 ビッグバン(Big Bang)とは、その3~理論~


 ビッグバンに関しては様々な意見があり、アインシュタインなども「宇宙に始まりがあった」という考え方には否定的であった。ただ、現在行われている宇宙論の研究は、ビッグバンの文脈で銀河がどのように作られたかを理解することや、ビッグバンの時点で何が起きたかを明らかにすることなどが含まれており、宇宙を語るうえで欠かせない現象なのである。


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 ビッグバン(Big Bang)エピソード、その3~ダイエット~


じゅんちゃん、私、決めたよ。ダイエットする」

 彼女の宣言を聞いて、俺は飛び跳ねるくらいうれしかった。

 出会った頃は見ているこちらが心配になるくらい細かった彼女だが、付き合って三年、結婚して二年が過ぎた頃からとんでもない速度で膨張し始めた。食費は嵩み、我が家の家計は火の車になりつつある。

 そんな彼女がようやく一念発起してくれたのだ。

 俺は喜びのあまり、彼女が眠った後で夜中に一人で祝杯をあげたくらいだ。

 それなのに翌日、仕事を終えて家に帰ると、まるで泥棒が入ったのではないかと思うくらい部屋の中が散乱しており、文字通り足の踏み場がなかった。床に散らかっているのはスーパーで売っている総菜の容器や菓子袋だった。当然、それらすべては空である。中身は部屋の中で大の字になって眠っている、あの真ん丸な女の腹の中というわけだ。

 俺が帰ったことに気付いて、彼女が上半身を起こした。

「潤ちゃん、お帰り。ねえ、聞いてよ。朝とお昼ごはん抜いたら、夕方にお腹空きすぎて死にそうになっちゃった。命の危険を感じたから慌ててスーパーで食べ物買ってきたの。おかげで死なずにすんだよ」

 彼女は右手でVサインをしながら誇らしげに告げた。

 俺は努めて冷静にたずねた。

「ダイエットはどうしたの?」

 すると、彼女は至って真面目な口調でこう返した。

「なにを言ってるのよ潤ちゃん。ダイエットは生きてなきゃできないでしょ?」

 その言葉を聞いて、俺は思わず心の中で叫んだ。



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 ビッグバン(Big Bang)とは、その4~名の由来~


  ちなみにだが、「ビッグバン (Big Bang)」という名を有名にしたのは、皮肉にも「宇宙に始まりがあった」という考えを嫌悪していたフレッド・ホイルである。

 フレッド・ホイルはあるラジオ番組において、膨張宇宙論(ビッグバン理論)の提唱者でもあるジョルジュ・ルメートルのモデルに対してこう叫んだのである。


「this 'Big Bang' idea!(この大ボラ吹きが!)」


 この発言を周りが面白がって使い始めたことで、大きな爆発を意味するビッグバンという言葉が広く使われることになったわけだ。

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ビッグバン おかずー @higk8430

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