諦観王子　〜見捨てられた僕が壊れてから〜

とある小さな王国。
特に豊かでも無く貧しくも無く、国民は勤勉で誰もが学び働きそこそこに満足なこの国の第一王子として僕は生を受けた。
父は厳しくも優しく、母は優しくも厳しい。実直な騎士団長、完璧主義な魔術教師、タブーというものを抜きで教えてくれる学術教師。そう言った人々に囲まれて僕はスクスクと育っていった。
あの事件が起きるまでは。
向こうはほんの状態だったのだろう。
だが、王家の、第一王子という立場が僕を追い詰めていった。
そして、全ての冤罪が晴れた時、僕の心は壊れていた。

壊れた僕に何が出来る。
壊れた僕をどうする？
一つの冗談が、やがて王国の存亡と国際問題に発展していくが、壊れた僕には関係ないのです。