第6話 初のピンチだ、デンジャラスヤンキー
「はぁ……」
全然授業が頭に入ってこない。
朝の一件があってから、不破さんのことばかり考えてる。
「やっぱり……はっきりさせた方がいいよなー……」
ぼんやりしながら、廊下を歩く。
「痛っ!」
すると、誰かにぶつかった。
「あ、すみません!」
顔を上げると、金髪の怖い顔をしている女の人が。
その人は女性なのになぜか学ランを着て、竹刀を持っている。
「てめぇ、アタシにぶつかっといてただですむと思うなよ!!」
や、ヤバい!
これって、いわゆるヤンキーだよね!?
「校舎裏まで来いや!」
「う、うわー!!」
またしても、女の子に引きずられる僕。
僕の青春に平穏はないのだろうか。
――――――――――――――――――――
「この転生高校の女番長、鬼龍亜梨沙に喧嘩売っといてただですむと思うなよ!?」
マジでヤバい人だ……。
もう僕は生きて帰れないかも。
「どう責任取ってくれんだよ!?!?」
「ひぃ!」
情けなく縮こまる。
だって、どうしようもないんだもん。
「ちょっと待ったー!!」
「あ?」
「え?」
近くで声がした。
これ、僕達に話しかけてるのかな。
「田中君に最初に告白したのは、私なんだから!!」
告白……?
まさか!
「不破さん!」
ヤンキーに負けないくらい堂々と仁王立ちしている。
「後から来たあなたに田中君は渡さないわ!」
渡さない……?
全く話が飲み込めない。
「ほら、田中君行こう!」
不破さんは、僕の手を引っ張る。
「待ちな!」
もう片方の手も掴まれる。
「そいつには、責任を取ってもらわねぇといけないんだよ!」
せ、責任……!
「奇遇だね、私もだよ」
え、なにが!?
「そうか、ならどうする!」
そんなこと聞かれても!
「勝負をしましょう!」
勝負!?
「勝負か……」
「へっ、おもしれぇ」
なんで乗り気なの!?
「先に田中君の彼女になった方が勝ちよ!」
どういう勝負だよ!
「わかったぜ!」
わかったの!?
「それじゃあ、また会いましょ!」
「あぁ、絶対負けないぜ!」
すんなり手を離してくれた。
僕の彼女は、異世界トラベラー 砂漠の使徒 @461kuma
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