第14話 パイロキネシスを使いたい?

みなさんは、「自分のせいだとバレずに、何か騒ぎを起こせたら楽しそうじゃないか?」と思ったことはないだろうか?


その日死猫は、そんな願望を抱いている少女を発見した。


1人殺せればいい。1人殺せればいいから、どうせなら、大好きなあの子にしよう。


死猫からパイロキネシスを使えるようにしてもらったその少女は、同じクラスの男の子の持ってるシャーペンを発火させた。

手始めだった。

びっくりしてシャーペンを手放す男の子。


1日目はこれで終わり。


何日もかけてじわじわと騒ぎを大きくしていく。

狙うのはこの男の子の周辺ばかり。

被害者は他には出さない。


バレるわけもない。やりたい放題だった。


1年が過ぎた頃、男の子は自殺してしまった。


少女は「え、私が殺す予定だったのに。…まあいいか、私が殺したようなもんだから」と呟いた。


死猫は1年間、その一部始終を面白そうに見ていた。


さて、男の子はなぜ自殺したのか。

単純に火がトラウマになってしまったのか、それともなんだ。

少女は彼に怪我を負わせたことはない。

まあいいか。当初の目的通り死んだのだから。


このことはネットでもテレビでも大騒ぎになった。


少女の望みが叶って何よりだ。

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超能力猫が願いを叶えると言っています 妖病 @Nina13

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