なんだかんだ

@dagoshi

第1話

入院中のベットの上でラジオを聴いていたら、ふと聴き覚えのあるイントロが流れてくる。私は曲紹介をされなくても、分かってしまう。森田公一とトップギャランで青春時代だな…


私は入院する前はデイサービス働いていた、今は長期の休みをもらってここにいる。


男性の入院されている方の中にはパソコンをひろげて仕事をしたり、仕事の電話に対応されている方もいて、自分はつくづく何も考えなくていい状況をありがたいなと感じている。自分にしか出来ない仕事はもちろんあるのかもしれないが、自分だけが出来る仕事はしたくない。そこは常々思っている。


青春時代は私の働くデイサービスではカラオケになるとほとんどと言っていいほど、リクエストされる曲で私も今では歌詞を見ればほとんどを唄えるほどだ。


歌と言うものは自然と人の心の中に入っていき、気持ちを軽くしたり、元気をもらえたり、時には切なくなったりと色んな感情を自分の中で思い出させてくれる、いわばキッカケみたいな物のように思う。


ただこの曲のイントロを聴いたときに真っ先に唄っているご利用者様の顔が思い浮かんだのだ。結局のところ私は仕事が、利用者様が大好きなんだと気づされてしまった。


明日は退院日、しっかり身体を回復させたらまた、みんなと一緒に青春時代を謳おうではないか。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

なんだかんだ @dagoshi

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る