ソシャゲを廃課金で成り上がる！ 妹と作る、最強ギルド

終幕、あの頃について

　十年後

「いやーあの頃は体力あったねー」

「懐かしいですね」

「いやあ、全てはいい思い出です」

「俺はものすごくきつかったがな……」

　金銭面でも体力面でもメンタル的にも答える聖戦だった。

　十年前の夏休み、俺たちはイベントで一位の座を手に入れた。そこでありったけのアイテムを出し尽くした結果、俺たちはそのイベントを最後に上位陣に食い込むことはなかった。

　そして今日、LoPのサービスが完全終了すると言うことであの日の同窓会を開いていた。

「若さってすごいわねえ、あんなに簡単に石が割れるなんて……」

「勝ったからいいじゃないですか、ビールが不味くなるのであの時の金額について言及するのはやめましょうよ」

「払ったのはそもそも俺じゃん」

　俺の突っ込みは阿多利（あたり）にスルーされて居酒屋での同窓会は夜更けまで続いたのだった。

　あの時は確かに俺たちは青春をしていた。全てはいい思い出となって俺たちの記憶のピースの一つになっていた。

　そしてみんなそれぞれの道を歩みながら俺たちは時々集まることを宣言して解散したのだった。