追想 変奏曲 CONFESAR LOS PECADOS
施設の中では様々な歳の子供達が生活している。小学校にあがる前の子から高校を卒業するくらいの子まで。特例措置としてその前後の歳の子もいる。
そういった子達が生活しているのだ。
十人十色様々な欲求が常におこる。
人間の欲は尽きることはない。
それは小さな子どもとて同じことだ。より、快適な生活をと無意識にも求め強いモノのもとに人は集まっていく。
当然、力関係や階級が出来上がっていく。
私、宮前充希(ミヤマエミツキ)はどのグループにも属さないままでいた。
グループ内外の争いに神経をすり減らすなんて考えられない。
同じように一人でいる子は何人かいるようだ。
そんなどこにも属さない私たちのようなモノにとってはどうでもいいようなことが火種となる。
例えば、食べ方。例えば、歩き方。
例を上げればキリがないくらいに火種はそこらじゅうに転がっている。
そうやって目にはみえない派閥争いが日々おこっている。
今もこうしてる間にもどこかで…そう考えるとうんざりする。
ソレは本当にごく些細なことが火種となった。
日頃の小さな不平不満が油となり、火種を更に大きく燃えあがらせる。火種は猛火へと変貌し全てを飲み込む。
そう、小さな諍い、ボタンのかけ違いが取り返しのつかない重大事件へと変わってしまったのだ。
月に何度かある面会日。面会なぞくるはずない子たちにはいつもとなんら変わりのないその日。
その日の夜、魔女が微笑んだ。
光をもとめて ―コレはボクの記録。生きている証 神稲 沙都琉 @satoru-y
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