ブチのめせるなら誰でも良かった
@HasumiChouji
ブチのめせるなら誰でも良かった
「さぁ、我が
『Wyyyyyy……』
私の命令に
「あの……
私の同僚である「鬼類誅戮護国崇神団」を統べる三幹部の1人である
「何を言っている? 我々が『保護』すべき
「いや、だったら、何で、拉致した一般人の……」
「『保護』だ」
「……『保護』した一般人の脳味噌の前頭葉(作者注:グロ描写につき一部自粛します)なんてやる必要が有るんですか?」
「純血の日本人が自然なあるべき姿に戻るまでの暫定措置だ」
多くの自称を含む「日本人」は知らない事だが、ある時代以降、彼らに「鬼」の血が混ってしまった。
我が「鬼類誅戮護国崇神団」の目的は、自称を含む「日本人」の内、「鬼」の血が許容範囲以上の者達を「安楽死」させ、純血の日本人からなる「在るべき日本」を取り戻し、日本の本来の支配者である「古き神々」を復活させる事だ。
その過程で、日本の人口は今の半分未満になるだろうが、まぁ、「在るべき日本」の「信民」達は納得してくれるだろう。全「信民」の脳改造が完了した後は特に。
『待てッ、鬼類誅戮護国崇神団‼ その人達を解放しろッ‼』
我らが「正義」の遂行を邪魔する、「正義の味方」の名を騙るおぞましき「鬼」の末裔「鬼面ソルジャーズ」だ。
『後方支援チーム。何か変だ。今回は現場指揮官クラスの「怪人」が見当らない。ドローンで探してくれ』
憎むべき敵だが、まるっきりの馬鹿ではない事は認めてやらねばなるまい。奴らも、早速、いつもと違う点に気付いたようだ。
「博士。例のモノを起動してくれ」
私は、同じく三幹部の1人である冨永邪怖博士に言った。
「いや……でも、テストしてからの方が……」
「やってくれ。これがテストだ……そして、本日この日こそが奴ら鬼面ソルジャーズの命日だ」
「わかったよ。とりあえず、我輩が、今『使うならテストをしてからやるべきだ』と主張していた事は記録しておいてくれ」
次の瞬間、
『グル……ッ』
『グル……ッ』
『おい、敵戦闘員の様子が何か変だ』
『いけ……穢らわしい鬼どもを殺……おい、待て、何やってる? やめろ、やめろ馬鹿どもッ‼』
「センパイ、
皮肉っぽい口調で
「う……うるさい……戦いはこれからだ……」
そうだ……。まだ、筋力増加薬と戦意高揚薬の効果は切れていない。
「でも、拉致した一般人は全部、鬼面ソルジャーズが逃がしちゃいましたよ」
「だ……黙れ……」
「ああ……すいません。『拉致』じゃなくて『保護』でしたね……。って、何やってんすか、ウチの
えっ?
何が起きてる?
「冨永博士ッ‼ どうなっているッ⁉ 戦意高揚薬の効き目が、もう切れたのかッ⁉」
「い……いや待ってくれ……。
「どう云う状態だ、それはッ⁉ そんな状態が有り得る訳が……」
「いや……センパイ……ああ云う状態でしょ」
現場では……
「お……おい……一体、どうなってるんだ?」
「す……すまん、我輩にも判らん……」
「俺には判りますよ、センパイ
「はぁ?」
「だから、俺達が『正義』だと思ってるのは、
「……な……何を言いたいんだ?」
「だ・か・ら……
ブチのめせるなら誰でも良かった @HasumiChouji
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