神さまのいうとおり

バブみ道日丿宮組

お題:謎のこだわり 制限時間:15分

神さまのいうとおり

 目が覚めると、湖みたいな場所にいた。

 空は水色で、大地は青。

 精神と○の部屋みたいな感じだった。

 死んだのだから、ここは天国に違いない。いや地獄かもわからないが、地獄にしてはさっぱりしてる気がする。いや……天国も地獄も見たことはないのだが……。

 首をつって死んだとしても、天国にこれるなんて、どっかの○○ストさんは許してくれないだろう。

 しかし、ここが天国というのであれば、

「えっ……」

 そう思って起き上がると、自分の身体に異変を感じた。

 今まで感じてた重量感がない。

 誇らしげではないが、かなりのデブだったはずだ。

「誰だこいつ」

 湖は鏡のように反射しており、俺の今の姿を映し出す。

 知らないロリがそこにいた。しかも全裸。ついてるはずのものは股間になかった。ついでに胸もねぇ。脂肪たっぷりの腹もないし、喉仏もない。

「目が覚めましたか」

 声に振り返ると、よくみる女神像の服をきた女性が立ってた。

 いつの間に現れたんだ?

「あなたは死にました。そのため、異世界に転生することが決定しました」

「転生……?」

 異世界転生といえば、強くてニューゲームが基本。

 その流れでいえば、俺もそうなってるはずであったのに……。

「この身体はどう考えてもロリ」

「はい、私の趣味です」

 神さまによって、俺の身体はロリータに変更されてた。

「転生する意味はあるんでしょうか?」

「あります。あなたが転生する世界であなたは偉業を成し遂げます」

「具体的にいうと何をするんですか」

 その問いに神さまは唸り声をあげた。

「それは自分で発見してみてください。きっとこだわり深いものが達成されるはずです」

 いい加減だった。この神さま適当だ!

「いいですか。あなたは平民の子どもとして生まれます。しかも吸血鬼が先祖返りしたものです。そのため、身体は今の状態から成長しませんし、私がさせません」

 ひどい話だ。

「もしものためにあなたと交信できるようにしますが、それは最終手段だと思っておいてください。神さまなんて便利なものは何回も使えませんので」

「女に転生するのは決定事項なんですか」

「はい。私がそう決めましたので、もちろん私次第で男の子もできましたよ」

 ぱーんという音がでるような感じに女神から光がもれた。

「じゃぁ、行きましょう。ここにいてもやることはありませんので」

 そうして、俺はなりたくもない女の身体で転生した。

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神さまのいうとおり バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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