私と君

高遠 彬

静かなる田舎にて

私は知っている、君が今幸福に暮らしていることを。


私は君なのだから。


君はすでに早朝の仕事を終えていて、お気に入りの小説を片手に籐椅子に腰掛けている。


朝の陽光を浴びて輝いている君の畑は美しい。


少し赤みを帯びてきたトマトを見て、君はこれまでの人生を回想するだろう。多くの素晴らしき友と励まし合い、成長してきた記憶だ。一生に一度しかない運命的な出会いもあった。君はそんな日々を思い起こしては、また笑みをこぼしている。


静かにゆっくりと流れる朝の時間。


君はその中に幸せや喜びを見つけて、一人微笑んでいる。


ゆっくりとした口調で君は私に諭す。


「身近にある幸せに気づくことが一番難しいことだ」と。

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私と君 高遠 彬 @Takoyakipan

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