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20220210

東京の空に雪が舞った。雪が降ると外に出たくなるのは何故だろうか。
火照った身体に染み入る雪が心地良いから?
普段は感じない感傷に浸れるから?
ただ単に珍しいから?
とかく、雪が降ると外に出たくなる。無機質なコンクリートが灰色から白へと染まっていく。
東京に降る雪は水分を含んだ霙のようなものが多い。それは今日も例外ではなかった。綺麗に染めあげられたように見える白い歩道だって一度靴で踏み締めてしまえば、グチョグチョと音を立てて半透明な水に還ってしまう。
大都会の雪は脆く儚い。冷たい空気が気管を伝って肺に流れこむのを感じる。夏よりも冬が好きなのは、この感覚が好きだからなのかもしれない。
時々、冬特有のあの”感傷的な気分にさせてくる何か”に押しつぶされそうになるけど、あの感覚を感じられるからこそ本当の意味での真の人間であれるような気もする。

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