インペラトール級

 ドレッドノート級の建造を知ったゲオルギーが建造を計画した戦艦。

 英国が産んだドレッドノート級とその派生型である海援隊の皇海級は各国の海軍関係者に衝撃を与えた。


 ドレッドノートの詳細は


https://kakuyomu.jp/works/16816700428609473412/episodes/16816700429516908832


 皇海級の詳細は

 https://kakuyomu.jp/works/16816700428609473412/episodes/16816700429382078129

 

 ロシアも例外ではなく、海への道を目指すロシアにとって、大西洋の覇権を握る英国との衝突は不可避と判断し、海軍力を増強していた。

 そのためドレッドノートへの対抗は必要不可欠と認識されていた。

 得られた情報とゲオルギーのメタ情報から計画され設計、建造されている。

 統制射撃を行うため四基以上の連装砲塔を首尾線上に配置させ片舷に全ての手法を撃てるようにしている。

 しかし、最新の大型艦用タービン旗艦の入手に失敗し、また、ロシアの工業力の低さから、独自建造は不可能と判断。

 同盟国であるフランスと友好関係にあったドイツに二隻ずつ建造を依頼し一隻を国内で建造する事にした。

 両国に建造を依頼したのは露日戦争をメタ情報でゲオルギーが知っており、開戦に間に合うよう短期間で建造するためだ。

 また国内ではボロディノ級の建造で手一杯であり、余力が無かったためである。

 英国のドレッドノート級の登場に驚いたフランス、ドイツはロシアの建造妖精を受け入れフランスで一番艦が設計され、これが基本となる。

 タンブルホール型の船体に、首尾線上に主砲が配備されたが、ゲオルギーは背負い式にするよう依頼していた。

 しかし、砲塔の上昇による重心上昇を嫌った技術者達の反対により、同一甲板上に配置する事になって仕舞った。

 ゲオルギーも専門家ではないためやむなく彼らの主張を受け入れ、アウトレンジでの砲撃を中心とするため無難に仕上げた。

 結果、ドレッドノート級にカタログスペック上は対抗できる艦が完成した。

 ただ、主砲配置を妥協した結果。


 主砲、艦橋、主砲、機関室、主砲、機関室、主砲


 となり、全長の六割が弾薬庫と機関室という、被弾したら半分の確率で重要区画が破壊され、機関室被弾による速力低下か弾薬庫直撃で攻撃力低下、最悪爆沈する艦となってしまった。

 また重要区画が長大となり装甲を施すことが出来なくなり水平装甲が従来艦のままとなって仕舞った。

 ただドレッドノート級が誕生したばかりで、カタログスペック上とはいえ同等の艦を作り上げたことはゲオルギーの卓見を示すものである。

 更にゲオルギーと技術者の為に言うなら、詳細な見本や参考資料が無い中、設計、建造し就役、航行させたことは、特筆すべき事だ。また、その後多くの試行錯誤を各国が繰り返した事を考えれば曲がりなりにも実戦に使った艦を作り出したのは褒められてしかるべきだ。


 メタ情報で鯉之助が作り出した皇海級という化け物の前には霞んでしまう。皇海級は卓越した性能を誇っているが、使えるか分からない新技術が多く、下手をすればまともに動かせない欠陥戦艦になった可能性が高かった。歴史を知っていた上、地道に技術開発をしていたとはいえ、皇海型の建造はかなりの賭けだった。


 建造は順調に進んだが、日露開戦には間に合わず、建造途中で戦争を迎えた。

 そのため引き渡しが危ぶまれたが、進水後、非武装状態でロシアへ商船として回航。

 予め輸入していた武装をロシアで搭載することで国際法を回避した。

 英国と日本は抗議したが、それ以上の事は出来なかった。

 各艦は、国威発揚を狙って歴代ロシア皇帝の名前を付けられている。

 こうして、九月までに各艦は就役し第四戦艦隊を編成。

 ロジェストヴェンスキー率いる第二太平洋艦隊に編入され、極東へ回航し、日本海海戦を迎える。



同型艦


 インペラトール・ピョートル一世

 インペラトール・エリザベータ

 インペラトール・エカテリーナ二世

 インペラトール・アレクサンドル一世

 インペラトール・ニコライ一世(改名)


 本編に戻る


https://kakuyomu.jp/works/16816700426733963998/episodes/16817330654152461818

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