虚々実々

 東西冷戦を題材にした架空世界の謀略戦を描く本作、謎めいた記憶喪失の女性を中心に話が進んでいく。
 硬直し教条主義をひた進む一方で、有能かつ冷酷な警察機構が全編に渡って陰鬱な影を投げかけるが、その働きが図らずも大きな逆転をもたらすのは歴史の妙であり皮肉でもあろう。
 ピクニックという、ごく穏やかな行事に込められた緊迫感を味わえた。
 詳細本作。