魔女アリスの処刑
聖女の資格を剥奪された、元聖女のアリスの火刑が行われた。
異端審問を行った司祭が『彼女は悪魔に魅入られた』と断じ、これにより魔女アリスの火あぶりの刑が決行されることとなったのである。
魔女アリスは民衆の罵倒を聞いても眉一つ動かさず、不気味に微笑みを保ったままだった。粛々と十字の木に両腕を杭でうたれ、はりつけられても、魔女は無言と微笑をたたえるだけだった。
足元に火が放たれたとき。魔女の近くにいたものは、小さくつぶやいた魔女の言葉を聞いたという。
『ああ、これでようやくわかる。
――ほんとうに、すべてのものに門が開かれているのかを!』
魔女は最後まで我らを惑わす言葉を残すだけであった。
火で焼かれ、炭となった魔女の体は、二度と神の身元に戻らぬよう、念入りに灰の塵にされるまで焼かれたという。
聖サロメ大教会はすでに次代の聖女を探すために動き出しており――。
王太子殺害容疑にかかる聖女アリスへの異端審問 コトリノことり(旧こやま ことり) @cottori
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます