epilogue: 未来をつくるものたちへ

 上空から2人を見つめる俺の肩先に、美しい蝶が止まった。

「全く貴女はお節介なんだから。俺は、鉛の矢を刺す愛も好きだったんだけれどな」

 そう話しかけると、彼女は少しむくれたようだ。

「…… ごめん。嘘。そうだね。あの子の絶望が我慢ならなくて、先にお節介を仕掛けたのは俺だもの」


 俺は、そう言って地上へ視線を向けた。


 少しは気づいてくれたかな?

 学校でとった点数は将来役に立たない訳じゃ無いけれど、生きていけばね、点数のつかない物事の方が多くなる。

 君には、とても点数なんてつけられない、良い所が沢山あるんだ。

 そして、点数のつけられないものの方が、君の将来を支え、君を支え、輝かせるものになるだろう。


「今で未来は決まらない、信じて欲しい明日を。未来をつくるものたちよ、どうか幸せに」

 俺は地上に祈りを捧げた。

 白銀の地上は美しく輝く。

 


 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

金の矢、鉛の矢 碧月 葉 @momobeko

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ