101
101、冒険者 さんたち
「みなさん、お話ありがとうございました~」
酒場の看板娘が百話終わったのを見計らい、酒場の照明をつけた。魔法回路が組み込まれた天井の照明は一気に明るくなった。
電気がついたその場には、明らかに語り部の数が少ない。途中で消えたはずの死霊使いさんが
「あれ?」
「さすが酒場の看板娘! とても楽しかったです。またやる時はお誘いくださいね~」
不思議に思っていると、宝箱から人間のような半身を出したミミックがお腹をさすりながら声を掛けてきた。
娘はミミックの中身を初めてみた。とても鮮やかな赤をしている。なるほど、他の生き物で言う『内臓』にあたるのだろう。
ズリズリと這うように酒場を出た亜人の一種は月明りが照らす街の中に去っていった。
何かを察したような遊び人が「やっぱり俺って運が良い」と呟いていた。
酒場の娘が残ったメンバーに聞き、冒険者に酒場を調べてもらった結果、通常種のミミックが酒場に配置してあった壺に、その隣にはスライムが潜んでいた。
そして亜人のミミックがいた所にはいくつかの人体の破片が落ちていた。
ダンジョン物語~酒場にて百物語~ 夏伐 @brs83875an
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