異種同士の惹かれあう描写をほんのりとした切さなさを添えながら、爽やかにえがいた作品です。異種同士を題材にしたものは、今までも多くありますが、お互いの生の長さや、理が違うための深く苦しい葛藤がえがかれることが多いです。その中で、切さなも交えながらも、違いを受け入れ、それすらも愛おしいと想えるような書き方が、心地よく感じられました。二人の関係にとどまらず、また新しい命へも繋がっていく終わり方が優しく、あたたかな余韻を残しています。
かつて男が恋した相手は悠久の時を生きる美しき『あやかし』。長くても百年、それが人間にとっての寿命。別離は必ず訪れ人である自分は彼女を置いて去ってしまう。好きな相手とずっと共にありたい、それが叶わないと知っているからこそ苦しさが伝わって来る。彼の視点、彼女の視点で語られるしんしんとした一幕、終わりは何時か必ず訪れる、だからこそ刹那の時を愛おしく思うのだ。沖田ねてるさんが描く玉響の寂しき逢瀬。心打たれる情景があなたを待っています。
人間は、年を取るのが早い。一方の妖は、その何百倍もの時間を過ごす。だけど、想いだけはいつまでも残り、そして次の代へと受け継がれていく。忘れられない想いは、誰かの中に生き続けるのだ。そんな淡く切ないけど、時間とともに人々の想いが世代を越えて紡がれていく短編ストーリー。九尾の喋り方といい、キャラといい、私のドタイプ過ぎました( 〃▽〃)是非、ご堪能あれ♪
人間同士ですら、気持ちはすれ違うもの。ならば、別の種族ならどうでしょうか?こちらの作品は人間の男性と美しい妖狐の淡く、けれども深い愛のお話です。種族が違えば寿命も違い、それでも心は惹かれ合う。それを、彼らが交わす言葉からひしひしと感じられます。じんわりと心に優しく広がる想いと、切なさ。これは永遠の愛のかたちの1つなのだろうと思わせる、とても素敵な恋物語。心温まるこちらの作品、是非皆様も読んでみて下さい。
あなたは、この気持ちにどんな名前をつけますか。
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(86文字)