白の世界を夢に見て

作者 おくとりょう

世界のすべてが敵になってしまったふたりの逃避行

  • ★★★ Excellent!!!

 ナノマシンによって空が覆われた世界、今はもう存在しない青空を求めて、逃避行の旅へと出るふたりの物語。

 未来の世界を描いたSFです。また、タグに「BL」とある通り、男性ふたりの関係性を描いたお話でもあります。
 淡々と綴られるこの世界のありようと、ふたりのこれまでの道程が印象的な作品でした。

 本当にふたりの関係だけに焦点を当てたお話なのですけれど、でも話の規模が思いのほか壮大だったりするところも特徴的です。
 不幸な事故により全身をサイボーク化したものの、そのために世界のすべてを敵に回すことになった幼なじみの「ハル」くん。
 逃げる以外にどうしようもない状況だからこそ、ふたりの絆のようなものが胸に沁みるようでした。

 結末にはびっくりしました。まさかそんな終わり方をするなんて……。
 モチーフというかビジュアルというか、「なくなった青空を探しに行く」という絵面が綺麗な作品でした。

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